第 71 回

消費者金融はなぜCMで好印象をアピールするのか?

坪谷 亮

消費者金融はなぜCMで好印象をアピールするのか?

いつの頃からか、消費者金融はカジュアルなCMを流すようになりました。
親しみやすさを前面に押し出すCMにはどのような意図があるのでしょうか?

印象に残るCM

消費者金融で有名なCMといえば、愛を強く語り、最後に企業名を言うCMなどがありますよね。他には、宇宙人が持ち合わせのない時に「地球寄ってく?」「いいねぇ〜」と無人契約機の名称を口ずさむものや、大勢の女性ダンサーが踊るだけのCMなど、一目見ただけでは消費者金融とわからないCMも過去にはありました。

消費者金融のお金を貸すイメージではなく、企業名だけが頭に残ったりすることが多く、「お金を借りる=CM企業のイメージ」を訴求するよりかは知名度を高めるために名前の印象を強く残すCMが多いような気がします。

親しみやすいイメージ

消費者金融のCMの多くは、光がよく当たっているという印象と、雰囲気的にも明るいものが多いです。
電気を消したまっ暗な部屋や夜の高架下で「この借金をいつか絶対に返してみせる!」と歯を食いしばっているCMは見かけません。

ある程度の年齢以上の世代には、消費者金融の悪いイメージがまだ残っています。
これは、過去に高金利や過剰な取り立てが社会問題になったからでしょう。そのイメージを払拭するために、明るい構成で、好感度の高い俳優やグラビアアイドルを起用しているのは間違いないと思います。

ハードルを下げる狙い

消費者金融は、まず契約してもらわないことには利益が生まれません。
そのため、最初のハードルを下げるために繰り返しCMを流しています。これはマーケティングの手法で単純接触効果と呼ばれ、相手に何度も繰り返し接触することによって高感度や評価を高める効果です。

ただし、消費者金融のCMは景品表示法に基づいて、過剰な貸付を回避するような作りになっており、コンプライアンス遵守の姿勢を求められています。そのため、誤解を与えないような表現が使われています。

規制と差別化

消費者金融のCMは、貸金業法で各メディア毎に本数や時間帯が制限されています。
消費者金融はその営業内容のため、需要がない人にとっては目に触れる機会がありません。また、銀行のように預金や保険などの金融商品を持っていません。
そのため、顧客に対する宣伝活動に力を入れる必要があり、街中の看板とティッシュ配り以外に、テレビCMでアピールすることが重要な機会とされます。

身近に感じても注意が必要

利用者は「なんとなくイメージがいいから」という理由ではなく、諸々検討した結果として、消費者金融を選択するという姿勢が望まれます。
今後も利用者側には、さらなる金融リテラシーの向上が必要となってくるでしょう。

執筆日2023年4月17日
監修日2023年5月12日

執筆者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

監修者 町田 萌 (まちた・もえ)
代表取締役・ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。

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