第 99 回

葬儀ローンとは?お葬式の費用が足りない時の備え方

三上 諒子

葬儀ローンとは?お葬式の費用が足りない時の備え方

人生において、葬儀が必要な時は突然やってきます。
地域や故人にもよりますが、葬儀には多くの費用がかかり、相場平均は約200万円程度と言われています。そのため、葬儀代の支払いに利用できる「葬儀ローン」というものがあります。

葬儀社が提携する葬儀ローン

急に大きな費用を用意できない世帯も少なくないでしょう。
葬儀社では、葬儀代の支払いに利用できる「葬儀ローン」を用意していることがあります。多くの場合は提携する信販会社のローンになります。手続きが円滑で融資も早いというメリットがあります。

信販会社以外では、イオンライフ株式会社が手がける「イオンのお葬式」があり、イオンカードとは別に「イオンライフサポートローン」で葬儀代金の分割払いができます。

金融機関のフリーローン

一部の地方銀行では「メモリアルローン」などの名称で葬儀ローンを提供していますが、通常は使途が自由なフリーローンを葬儀費用に充てることができます。
銀行でフリーローンを申し込むと通常2〜3日から1週間かかります。地方銀行では、対象地域などの条件を満たす必要があります。

信用金庫・労働金庫でも、葬儀費用に利用できるフリーローンを取り扱っています。
両方とも利益追及のための組織ではなく、相互扶助を目的とした金融機関なので、低金利でローンが組めます。すでに会員になっており、時間に余裕があり金利を低く抑えたいのであれば、利用するメリットがあるでしょう。

ローン以外で補填

平均の葬儀費用は約200万円と申し上げましたが、これはあくまで一般葬という形式での数字です。近親者だけで行う家族葬や、火葬のみを行う直葬であれば葬儀費用は少なくなります。

また、優先して現金で支払う必要があるのは「僧侶への謝礼(=お布施)」なので、ローンを組む対象から除外することもできます。

故人が国民健康保険に加入していた場合、役所の国保担当部署で葬祭費や埋葬料を支給してもらうことが可能です。協会けんぽでも同様に埋葬料や家族埋葬料が支給されます。
ただし、国保の葬祭費は直葬だと支給されない場合もあるので、お住まいの市区町村に確認が必要です。

故人の遺産で葬儀料を支払うと考える方もいるでしょう。しかし、預金口座は名義人が亡くなった場合、相続トラブル防止のため凍結されます。2019年7月1日からの改正民法により、一定額までは凍結口座から預貯金を引き出せるようになりましたが、凍結口座から預貯金を引き出すには所定の手続きが必要です。そのため、状況によってはすぐに葬儀費用には使用できない可能性があります。

また、生命保険の保険金も保険会社に書類を提出してから時間がかかるため、急を要する出費には補填できない可能性もあります。

金銭的に負担のない葬儀の計画を立てる

葬儀に必要な費用自体が高額なことは確かですが、計画している葬儀が適正な内容か判断する必要があります。
葬儀社に高価な棺や枕花を勧められて「この方が故人も喜びますよ」と言われても、残された家族がお金のことで苦労しない方が故人も喜んでくれるはずです。

故人を偲ぶ気持ちを持つことは大切ですが、葬儀ローンを利用するのであれば、無理のない返済計画を立てましょう。

執筆日2023年4月16日
監修日2023年4月20日

執筆者 三上 諒子 (みかみ・りょうこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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