第 151 回

任意整理とは?メリット・デメリットを解説

三上 諒子

「任意整理」は話し合いで借金を整理する方法で、比較的少額の場合に有効な債務整理の1つです。返済を長期の分割払いに見直したり、利息や遅延損害金を免除したりすることで、債務者の生活を崩さない程度の返済条件にしてもらうことが可能になります。

任意整理とは

一般的に任意整理は、弁護士か司法書士に交渉の代理人を依頼することになります。弁護士であれば万が一、任意整理が行き詰まった場合でも、その他の法的な債務整理手段に移行することができます。

司法書士は弁護士よりも依頼費用を抑えられるというメリットがありますが、任意整理の債権額が1件当たり140万円を超える場合は扱うことができません。

依頼を受けた弁護士や司法書士は、取引履歴などから正確な借金の状況を確認し、返済条件を定めた和解案に基づいて債権者と交渉します。合意した場合には債権者との間で和解書(合意書)を取り交わし、債務者は和解契約にしたがって返済をしていくことになります。

メリット

弁護士や司法書士は任意整理を開始すると、債権者に対して「受任通知」を送付して代理人となったことを明らかにします。「受任通知」には直接の取り立てを停止するメリットがあります。

任意整理の大きなメリットとして、利息や遅延損害金が免除される場合があります。基本的に任意整理では分割払いの回数を36回として、3年間の長期分割払いとするように交渉します。

そのため、利息の免除は非常に効果が大きく、債権者も自己破産や個人再生などによって返済が減少するリスクを回避することができます。

デメリット

任意整理は裁判所による強制力がないので、任意整理に応じない債権者がいるケースも考えられます。返済条件の譲歩が難しい債権者の場合は、合意に応じることなく任意整理に達しない可能性があります。

任意整理を早急に解決したとしても、信用情報で「金融事故」として登録される場合があります。直接的なブラック扱いにする信用情報機関は限定されますが、情報は各機関の間で共有されているので、「任意整理があった」というネガティブ情報は明らかになります。

特徴と注意

一般的に任意整理を行う場合は、弁護士か司法書士に依頼することになります。依頼には費用が必要になるので、返済とは別に依頼費用を準備する必要がある点に注意しましょう。

債権者(借入先)が複数存在する場合、一部の債権者に対してのみ任意整理を行うことは、原則としてできない可能性が高いです。また、和解成立後に再度任意整理を行うことも難しいと考えた方が良いでしょう。

慎重な返済計画を

任意整理は債務整理の方法としてよく名前が知られている方法ではないでしょうか。とはいえ、借金を返済する義務があることに変わりはありませんので、和解条件と返済計画は弁護士や司法書士と相談して、慎重に進めることをおすすめします。

執筆日2023年4月20日
監修日2023年5月8日

執筆者 三上 諒子 (みかみ・りょうこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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