第 171 回

自動車ローンを比較する時のチェックポイント

坪谷 亮

自動車ローンを比較する時のチェックポイント

住宅ローンや教育ローンと並んで、自動車ローンは人生で大きな出費になるでしょう。自動車ローンの利用は、金利以外の条件でも支払額に大きな差が出る可能性があります。

自動車ローンの種類と特徴

自動車ローンは大きく分けて金融機関が取り扱う「マイカーローン」と、販売店が提携する信販会社が取り扱う「ディーラーローン」の2種類です。

どちらもローン契約のため審査があります。そのため、収入と比較して大きな金額のローンを契約することは難しい場合があります。

また、「残価設定ローン」という自動車ローンがあります。これは数年後に車を買い換えることを前提として、あらかじめ下取り分の金額(残価)を差し引いた金額を返済するシステムです。ローン返済後は新車に乗り換えて新しいローンを組むか、販売店に車を返却するか、 残価を支払って車を買い取るか、のいずれかを選択します。

比較のポイント

一般的に、金融機関のマイカーローンの方が、ディーラーローンより金利が低い傾向があります。一方、ディーラーローンは申し込み手続きを販売店にお任せできるというメリットがあります。

通常であれば車両価格が自動車ローンの対象になりますが、車検費用やカーアクセサリも適用範囲に含まれる自動車ローンもあります。

金融機関によっては、申し込み条件に注意が必要です。信用金庫や労働金庫のマイカーローンを申し込む場合は、金融機関の営業エリアに居住または勤務している必要があります。JAバンクのマイカーローンを申し込む場合は、組合員であることが条件になっている場合があります。

金利だけではわからない

数字だけを比較して低金利の自動車ローンを選べばいいとは限りません。金利優遇やキャッシュバックなどのキャンペーンがあれば、支払い総額を抑えられることがあります。ただし、元々高い金利を設定して、お得感を演出していないか確認しましょう。

自動車ローンは保証会社に保証料を支払う場合がほとんどです。この保証料が金利に含まれているのか、金利とは別に請求されるのか注意する必要があります。

また、自動車ローンは金額が大きいため、頭金を支払う場合もあります。頭金を支払った場合は、月々の返済額を抑えることができます。

優先順位は?

自動車ローンは病気やお葬式のような予想外の出費と違い、緊急性を要するケースは少ないと思われます。そのため、事前の検討や申し込みには、比較的時間の余裕があるのではないでしょうか?

自分で手続きを行う時間を確保できるのであれば、申し込みや審査にかかる時間はそれほど重要な比較項目にはならないでしょう。

残価設定ローンを利用する場合は返済額が抑えられることが多く、金利差による支払額の違いをそれほど重視しないという考え方もあります。新車を3年間の残価設定ローンで購入した場合は、初回の車検費用を支払う前に乗り換えることも可能です。

ただし残価(=下取り価格)が下がらないように、走行距離を抑えたり車の状態を維持したりする必要があります。子供やペットを車に乗せる人や、タバコを吸う人には向いていないかもしれませんね。

自動車ローンも色々選べる

自動車ローンの選択は支払額が大きい分、それぞれのメリット・デメリットをよく把握する必要があります。自動車を買うことで、生活を豊かにすることもできますが、自分に合わないローンを選択し、支払いに追われる日々を過ごしてしまうと本末転倒です。

どの自動車を購入するかという選択と同じくらいの情報を集めて、自分に合った自動車ローンを探すと良いでしょう。

執筆日2023年5月1日
監修日2023年5月10日

執筆者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

監修者 町田 萌 (まちた・もえ)
代表取締役・ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。

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