第 204 回

カードローンの限度額は年収で決まる?年収別の目安や決まり方を解説

田中 霞

カードローンは利用限度額の範囲内で繰り返し借り入れや返済ができるローン商品です。

その利用限度額がどのように決定されているのかあいまいで、なんとなく「年収の3分の1程度まで借りられる」というイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし実際には、年収以外にもさまざまな審査項目によって限度額が算出されます。

この記事では、カードローンの利用限度額と年収の関係性、貸金業法における総量規制の仕組み、そして安全に利用するための注意点について解説します。

カードローンの限度額は年収だけでは決まらない

「自分の年収だったらどのくらい借り入れできるのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。年収が低いと希望額の借り入れは難しいと思われがちですが、カードローンの限度額は年収だけで一律に決まるものではありません。

貸金業法による「総量規制」のため、消費者金融やクレジットカード会社などのカードローンでは借り入れ合計額が原則年収の3分の1までに制限されます。

ただし、実際の利用限度額は審査によって決定されるため、必ずしも年収の3分の1まで借りられるわけではありません。

カードローンの限度額とは?

カードローンでは商品によって借りることができる限度額の設定に違いがあります。

また、公式サイトには、「最高〇〇万円」「利用限度額」「利用可能額」など、さまざまな用語が使われており、「自分は結局いくら借りられるのか」が分かりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。

まずはこれらの言葉の意味や違いを整理しておきましょう。

商品ごとに設定された限度額と個人の利用限度額は異なる

カードローンの公式サイトや紹介ページに「最大800万円」「最高1,000万円」と利用限度額が記載されている場合でも、誰でも最大限度額まで借りられるわけではありません。

金融機関や保証会社は、申込者の年収、他社からの借り入れ状況、勤務先、信用情報などを総合的に審査し、個別の利用限度額を決定します。

そのため、いくら高年収であっても、必ずしも希望どおりの上限額まで借り入れができるわけではありません。実際の利用限度額は個別の審査によって決まるため、記載された最大借り入れ可能額だけを見て、安易にカードローンを申し込みしないよう注意しましょう。

利用限度額・利用可能額・借入残高の違い

カードローンでよく使われる「利用限度額」「利用可能額」「借入残高」の違いは以下の通りです。

金融機関によって用語の呼び方や定義が異なる場合があるため、ここでは一般的な目安として整理しておきましょう。

  1. 利用限度額(借入限度額):審査で決定した「最大いくらまで借りられるか」という上限額
  2. 利用可能額(借入可能額):現時点で「あといくら借りられるか」という金額
  3. 借入残高:現在借りていて、まだ返済が終わっていない金額

例えば、利用限度額が50万円の方で、現在借り入れしている残高が20万円なら、今すぐ借りられる利用可能額は残りの30万円(50万円-20万円)となります。

貸金業者からの借り入れは原則年収の3分の1まで

個人の借り過ぎや多重債務を防ぐために、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者には「総量規制」というルールが設けられています。

ここでは、総量規制の仕組みや年収別の上限について詳しく解説します。

総量規制とは?

過度な借り入れから消費者を守るため、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者は、借り手の収入や他社からの借り入れ状況などをふまえ、返済能力を超える貸付けを行ってはならないとされています。

この「返済能力を超える貸付け」かどうかを判断する主な基準が、いわゆる総量規制です。借入残高の合計が年収の3分の1を超える場合、原則として返済能力を超えるものとみなされ、新たな貸し付けが禁止されます。

なお、総量規制は「1社あたり」ではなく、すべての貸金業者からの借り入れ合計額で年収の3分の1までと定められています。

【例:年収300万円の方が貸金業者を利用する場合】

  • 総量規制による借り入れ上限額: 100万円(年収300万円 )
  • A社からの借り入れ残高: 50万円
  • B社・C社で新たに借り入れできる総量規制上の上限額: 残り50万円(100万円 - 50万円)

年収別|総量規制における借り入れ総額の上限

総量規制における借り入れ総額の上限は、原則として「年収の3分の1」です。年収別の借り入れ上限額の目安は以下のとおりです。

年収 借り入れ上限額(合計)
300万円 100万円
400万円 約133万円
500万円 約166万円
600万円 200万円

※横にスクロールできます→

※なお表の金額は、総量規制上の上限であるため実際に借りられる金額は個別の審査状況によって異なります。

銀行カードローンは総量規制の直接の対象ではない

総量規制は、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者からの借り入れを対象としているため、貸金業者に該当しない銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などからの借り入れは、総量規制の対象外となっています。

ただし、総量規制の対象外=銀行なら年収に関係なくいくらでも借りることができるというわけではありません。

以前、銀行カードローンによる過剰な融資が問題となった背景から、現在では多くの銀行が独自の基準による自主規制を設けています。

加えて、銀行や保証会社による厳格な審査が行われるため、他社での借り入れ状況や年収とのバランスによっては、希望どおりの利用限度額が設定されないケースもあります。

カードローンの限度額を決める主な要素

カードローンの限度額の審査では、年収だけではなく、勤務状況、他社からの借り入れ状況、信用情報などをふまえ総合的に判断され決定されます。

具体的には、以下のようなポイントがチェックされます。

収入や勤務状況

カードローンの審査基準や審査内容は非公開となっています。しかし一般的には、年収のほか、勤務先、勤続年数、雇用の安定性などもチェックされ、継続して返済できる能力があるかが総合的に判断されます。

例えば、「年収が高くても歩合給で変動が激しい人」や「勤続年数が短すぎる人」よりも、「年収は平均的だが勤続年数が長く収入が安定している人」の方が高く評価されることも少なくありません。

他社からの借り入れ状況

他社からの借り入れがある場合、借り入れ額や件数なども確認されます。件数や借り入れ額が多いほど、限度額が低い設定になる可能性があります。

なお、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者から借り入れる際は、貸金業法の総量規制の対象となります。

すべての貸金業者からの借り入れの合計が、年収の3分の1を超えて融資を行うことは法律上禁止されているため、既存の他社からの借入残高が大きければ大きいほど、総量規制上、新たに借りられる金額は必然的に少なくなります。

信用情報

個人のローンやクレジットカードなどの契約内容や利用状況、支払い履歴などが記録されているデータを信用情報といいます。

信用情報は、個人信用情報機関(CIC、JICC、KSCなど)によって管理されています。

金融機関または保証会社がカードローンの審査の過程でこの信用情報を照会・確認し、「他社から無理な借り入れをしていないか」「過去に期日どおりの支払いができているか 」といった返済能力の有無を慎重に判断します。

なお、個人でもWebなどから自身の信用情報の開示請求を実施することができます。ただし、開示請求には所定の手数料が発生するほか、各機関ごとに記録している信用情報は異なるため、請求先を間違えると自分が欲しい情報が手に入らない可能性もあります。

カードローンの限度額いっぱいまで借りても大丈夫?

カードローンの審査の結果、個別で利用限度額が決定されます。利用限度額の範囲内であれば繰り返し借り入れを行うことができますが、限度額いっぱいまで借りると毎月の返済負担が大きくなり、生活を圧迫するおそれがあります。

無理のない返済を継続するための注意すべきポイントを解説します。

限度額は「借りてもよい金額」とは限らない

カードローンの利用限度額は「借りることができる上限」であり、「借りても問題のない金額」ではありません。

金融機関や保証会社は、審査の際年収や他社の借り入れ状況、信用情報などのデータは確認しますが、個人の生活費や支出状況を細かく確認して利用額の上限を定めているわけではないため、安全に返済できる金額とは異なります。

限度額いっぱいまで借り入れをしてしまうと、毎月の返済額が大きくなり、食費や住居費などの日常の生活費を圧迫する大きなリスクが生じます。

利用限度額=自由に使えるお金・借りてもよい金額と捉えず、事前にお金の使い道や毎月のやりくりを整理し、無理なく返済できる範囲内で「本当に必要な分だけ」を計画的に借り入れることが何より大切です。

必要な金額と毎月の返済負担から借り入れ額を考える

カードローンを利用する前に、利用目的と必要金額を明確にしておきましょう。借り入れ可能額を借り入れるのではなく、必要金額しか借り入れしないことが重要です。

次に確認したいのが、毎月の返済額・返済期間・そして最終的な返済総額の3つです。現在の家計の収入と支出のバランスを踏まえ、「この金額なら毎月問題なく返済できるか」を事前にシミュレーションしてみましょう。計画性のない借り入れは家計を壊す大きなリスクになります。

当サイトの「返済シミュレーション」では、「借入希望金額」「実質年率」「毎月の返済額」を入力すると、「総返済額」や「総利息金額」の目安を試算できます。

返済計画を立てる際の参考として活用してみてください。

今後の収支やまとまった支出も確認する

無理のない返済計画を立てるには、現在の生活費だけでなく、将来発生する教育費や引っ越し費用などの「大きな支出」もあらかじめ考慮しておくことが大切です。

現時点では返済に余裕があっても、結婚、出産、進学といったライフイベントが重なるとまとまった出費が必要になります。その結果、毎月の返済によって生活が困窮してしまうおそれもあります。

家計全体の収支をふまえ、今後発生する可能性のある費用も考慮したうえで余裕のある返済計画をたてましょう。

カードローンの限度額に関するよくある質問

ここでは、カードローンの限度額に関するよく寄せられる質問とその回答を紹介します。

Q1.年収が高ければカードローンの限度額も高くなる?

利用限度額の決定には、年収も大きく関わっていますが、年収が高いだけで高い限度額が設定されるとは限りません。

他社からの借り入れ状況や信用情報、勤務状況なども含めて総合的に判断されるため、思っていたよりも低い限度額設定になるケースもあります。

一般的なカードローンには具体的な年収条件が設定されていないケースが多くある一方で、パート・アルバイト・配偶者に収入のある専業主婦(主夫)の方は利用限度額が50万円までに制限されている商品などもあります。

一方で、例えば西日本シティ銀行が提供している「NCB カードローン V CLASS」のように、前年度の税込年収が400万円以上の方のみを対象とした商品もあります。

商品によって申し込み条件は異なるため、事前に契約内容や商品概要の確認が必要です。

出典:NCB カードローン V CLASS
https://www.ncbank.co.jp/loan/card/vclass/

Q2.年収500万円ならカードローンはいくらまで借りられる?

年収500万円で消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者からの借り入れを検討している場合、総量規制上、借り入れ総額は原則として最大約166万円(年収の3分の1以内)となります。

ただし、約166万円という金額は、あくまで上限であるため、実際の利用限度額は個別の審査状況によって異なります。

そのため、「最大166万円まで借りられる可能性がある」という目安は知識として頭にとどめる程度にし、今本当に必要な金額を申し込むようにしましょう。

Q3.100万円借りるには年収はいくら必要?

消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者から100万円を借りる場合、総量規制だけを基準にすると年収300万円以上がひとつの目安になります。

ただし、すでに他社からの借り入れがある場合は、すべての貸金業者からの借り入れ合計が年収の3分の1以内である必要があります。そのため、年収300万円以上であっても必ずしも100万円まで借りられるとは限りません。

Q4.カードローンの限度額は後から増やせる?

カードローンの利用開始後、限度額を増やしたい場合は商品によって増額申請を申し込むことができます。

一般的に、増額の申し込みでも新規契約時と同様の審査が行われます。申請時点での年収や勤務状況、他社からの借り入れ状況などが厳格にチェックされるため、収入証明書の再提出や電話による在籍確認が求められるケースもあります。

また、審査の結果によっては増額できない場合や、希望どおりの限度額設定とならないケースもあります。さらに、限度額が増えて借り入れ額が大きくなれば、その分毎月の返済負担も増加します。

増額後に無理のない返済が継続できるか、事前の慎重な確認と計画的な判断が必要です。

関連記事:カードローンの増額審査では何を見られる?審査の流れや注意点を解説

まとめ|限度額だけでなく無理なく返済できる金額を考えよう

カードローンの利用限度額の決定には、年収も大きく関わっていますが、年収が高いからといって最大限度額まで借り入れができるわけではありません。金融機関や保証会社は、他社からの借り入れ状況、勤務状況、信用情報などを総合的に評価して返済能力を判断するため、想定より低い限度額になるケースもあります。

消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者からの借り入れの場合は、総量規制上、借り入れ総額は原則として年収の3分の1程度に制限されます。

なお、年収の3分の1程度という基準は、あくまで最大枠に過ぎず、実際の利用限度額は個別の審査状況によって異なります。

また、金融機関が設定した限度額は「借りても問題のない金額」とは異なります。年収が高いからといって上限枠まで借り入れて問題なく返済できるかどうかは、個々の生活状況によって異なります。

まずは、利用目的と必要金額を明確にしたうえで、返済シミュレーションなどを活用し毎月の家計の収支と照らし合わせながら、無理のない返済計画を立てて賢く安全にカードローンと付き合っていきましょう。

※本記事は、2026年9月11日時点の情報をもとに執筆しています。

執筆者 田中 霞 (たなか・かすみ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

訪問介護事業所にて、財務・経理業務に従事。訪問介護員として実際に現場へ出向き、ケアサービスを行っている際に、独居高齢者の増加、空き家問題、介護職員の人材不足等、介護現場におけるさまざまな社会問題に直面する。社会の仕組みやお金の流れを学ぶことで解決の糸口が見つかるのではないかと思いFP資格を取得し、一人ひとりの状況にあった相談業務を心掛けている。

監修者 堀田 絵里奈 (ほりた・えりな)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

2021年1月よりWebライターとして独立。大手生命保険会社の勤務経験や子育て経験などを生かしながら、おもにSEO記事の執筆活動を行う。金融ジャンルの記事執筆に携わるなかで出会ったFPに魅力を感じ、AFPまで取得。現在は独立系FPとして執筆業務をはじめ幅広く活動中。得意ジャンルは金融、保険、住宅、子育て。オンライン学習コミュニティにて、Webライティング講座のメンターも経験。プライベートでは4児の母。

FPおすすめコラム記事

最新FPコラム

ちょっと待って!
あと 以内の申し込みで
今日借りられる可能性があります!
今から申し込みで明日の午前中
に借りられる可能性があります!

最短短即日融資可能/WEB完結なら社会保険証でお勤め先確認完了!電話連絡なし
※審査に通過すれば、原則24時間最短3分でお振込み

閉じる
簡易検索