第 205 回
クレジットカードのショッピングリボ払いを利用していて、「残高がなかなか減らない」「このまま返済を続けてよいのだろうか」と感じている方もいるのではないでしょうか。
リボ払いの残高は、カードローンで借りた資金を使って清算できる場合があります。
ただし、カードローンに借り換えれば必ず返済負担が軽くなるわけではありません。
借り換え後の金利が低くても、毎月の返済額を下げすぎると返済期間が長くなり、結果として総返済額が期待したほど減らないこともあります。
そのため、借り換えを検討する際は、金利だけで判断しないことが重要です。
本記事では、主にクレジットカードのショッピングリボ払いを対象として、カードローンへの借り換えの仕組みやメリット、注意点、判断基準を解説します。
クレジットカードのショッピングリボ払いの残高は、資金使途などの条件を満たすカードローンで借り入れ、その資金でリボ払い残高を清算することで実質的に借り換えできる場合があります。
例えばショッピングリボの残高が50万円ある場合、カードローンで50万円を借り、その資金でクレジットカード会社への支払いを済ませます。
その後は、リボ払いではなくカードローンを返済していく流れです。
ショッピングリボ払いは利用金額や利用件数にかかわらず、毎月の支払額を一定にする仕組みのものが多く提供されています。
(実際の手数料率や返済方式はカード会社や契約内容によって異なります。)
借り換えそのものを目的にするのは適切ではありません。
カードローンの金利や毎月の返済額、完済までの期間によっては、借り換え後の負担が必ずしも軽くならないためです。
「リボ払いよりもカードローンのほうが有利」と一律に考えるのではなく、借り換え前後の条件を比較したうえで判断することが重要です。
まずは本章で、リボ払いの残高をカードローンで清算する基本的な仕組みを確認しましょう。
リボ払いからカードローンへの借り換えは、カードローンで新たに借り入れた資金を現在のリボ払い残高の支払いに充てる方法です。
基本的な流れは、次のとおりです。
ただし実際の申し込み方法や借入方法、リボ残高の清算方法は、利用するカードローンやクレジットカードによって異なります。
また、希望する金額を必ず借りられるわけではありません。
借り換えを前提にカードローンへ申し込む場合でも、まずは必要な借入額や現在の残高を整理しておくことが大切です。
詳しい申し込み方法や借り換えの流れについては、以下の記事も参考にしてください。
借り換えをすると、支払いそのものがなくなるわけではありません。
リボ払いの残高をカードローンの資金で清算した場合、クレジットカード会社へのリボ残高は減少または完済しますが、その代わりにカードローンの借入残高が発生します。
つまり、返済先が変わるだけで、引き続き借り入れたお金を返済しなければならないことは頭に入れておきましょう。
本章では、リボ払いをカードローンに借り換えるメリットについて解説します。
具体的には、以下が挙げられます。
以降で詳しく見ていきましょう。
現在のリボ払いの手数料率より、借り換え後に適用されるカードローンの金利が低い場合、手数料・利息の負担を抑えられる可能性があります。
例えば現在のリボ払いの手数料率よりも低い金利のカードローンを利用し同程度のペースで返済を続けられれば、支払総額を抑えられるケースがあります。
ただし、広告などに表示されている最低金利がそのまま適用されるとは限りません。
実際の適用金利は、商品や契約内容、審査結果などによって異なります。
そのため、「カードローンの最低金利が低いから」という理由だけで判断するのではなく、自分に適用される条件を確認してから比較する必要があります。
借り換え後の金利が低くなり、毎月の返済額を維持または増やせる場合、完済までの期間を短縮できる可能性があります。
返済期間が短くなれば、一般的には利息が発生する期間も短くなり、結果として総返済額を抑えられる可能性があります。
一方で、金利が下がったことを理由に毎月の返済額まで大きく減らすと、元金の減りが遅くなり、完済までの期間が長くなることもあるでしょう。
借り換えを検討する際は、金利だけでなく、借り換え後にどの程度の返済ペースを維持できるかも重要なポイントです。
リボ払いは毎月の支払額が一定になるため、利用残高がどの程度残っているのか、あと何年返済が続くのかを意識しづらい場合があります。
借り換えを検討する際には、現在の残高や手数料率、毎月の支払額を確認するとよいでしょう。
結果として、
といった返済状況を整理するきっかけになります。
借り換えをするかどうかにかかわらず、自分の返済状況を把握することには意味があります。
リボ払いをカードローンに借り換えるのはメリットばかりではありません。
続いて本章では、リボ払いをカードローンに借り換えるときの注意点について解説します。
具体的な注意点は以下が挙げられます。
以降で詳しく解説します。
リボ払いの残高をカードローンで清算する場合、新たにカードローンの契約をするため、審査を受ける必要があります。
ローンやクレジットの申し込みでは、信用情報なども審査の参考情報の一つとして利用されます。
信用情報機関には、クレジットやローンの契約内容、残高、支払状況などの情報が登録されています。
審査基準は各金融機関によって異なり、希望した金額を必ず借りられるわけではありません。
また、借り換えに必要な金額が借りられなければ、リボ払いを完全に清算できない可能性もあります。
借り換えを検討する際は、現在の残高を正確に把握しておくことが大切です。
カードローンには金利の幅が設定されている商品が多く、実際にどの金利が適用されるかは契約条件などによって異なります。
そのため、表示されている最低金利だけを見て「借り換えれば安くなる」と判断することはできません。
借り換えを判断する際は、まず次の2点を比較しましょう。
実際の条件を比較してはじめて、金利面で借り換えを検討する意味があるか判断できます。
借り換え後に毎月の返済額を減らすと、家計の負担は軽くなったように感じるかもしれません。
しかし、返済額を減らした分だけ元金の減少ペースが遅くなり、完済までの期間が長くなる場合があります。
特に、借入残高が大きい場合や返済額が少ない場合は、毎月の返済額のうち利息が占める割合も無視できません。
月々の支払いを減らすこと自体が悪いわけではありません。家計の状況によっては、毎月の返済額を抑える必要があるケースもあります。
ただし、「毎月の支払額が下がったから得をした」と判断するのではなく、返済期間や総返済額まで確認することが必要です。
借り換え後の金利が下がっても、返済期間が大幅に長くなると期待したほど総返済額が減らないことがあります。
例えば、金利を下げることに成功しても、毎月の返済額を大きく減らして返済期間が長くなれば、長期間にわたって利息が発生します。
そのため、借り換えの判断では、次の3つをセットで比較することが重要です。
金利だけを比較するのではなく、最終的にいくら返済することになるのかまで確認しましょう。
カードローンでリボ払いを清算した後、再びクレジットカードの利用分をリボ払いにすると、新たな残高が発生します。
結果として、カードローンの返済と新たなリボ払いの返済の2つの返済を同時に抱える可能性があります。
借り換えによって一度返済計画を整理しても、その後に新たなリボ払いを積み重ねれば、家計の負担が再び増えるおそれがあります。
借り換え後は、クレジットカードの支払方法についても見直し、返済残高を増やさないよう管理することが重要です。
借り換え前後の返済額は、金利だけでなく毎月の返済額によっても変わります。
本章ではシミュレーションをおこないながら、返済額・返済期間・総返済額の違いを確認します。
まず、毎月2万円を返済すると仮定し比較すると、以下のようになります。
| 条件 | 借り換え前(リボ払い) | 借り換え後(カードローン) |
|---|---|---|
| 残高 | 50万円 | 50万円 |
| 年率 | 15.0% | 12.0% |
| 毎月の返済額 | 2万円 | 2万円 |
| 完済までの期間の目安 | 約31か月 | 約29か月 |
| 総返済額の目安 | 約60.3万円 | 約57.8万円 |
※横にスクロールできます→
※年率を12で割った月利を用いた簡易試算です。実際の返済額や返済期間は、利用する商品・返済方式・手数料の計算方法などによって異なります。
このケースでは、借り換え後に金利が下がっても毎月2万円の返済を維持しているため、完済までの期間を短縮し、総返済額も抑えられる結果になっています。
ポイントは、金利が下がった分をそのまま毎月の返済額の引き下げに使わず、一定の返済ペースを維持していることです。
次に、同じく年15.0%から年12.0%へ金利が下がったものの、毎月の返済額を2万円から1万5,000円へ減らした場合を考えます。
| 条件 | 借り換え前(リボ払い) | 借り換え後(カードローン) |
|---|---|---|
| 残高 | 50万円 | 50万円 |
| 年率 | 15.0% | 12.0% |
| 毎月の返済額 | 2万円 | 1万5,000円 |
| 完済までの期間の目安 | 約31か月 | 約41か月 |
| 総返済額の目安 | 約60.3万円 | 約61.1万円 |
※横にスクロールできます→
※年率を12で割った月利を用いた簡易試算です。実際の条件によって結果は異なります。
このケースでは、金利自体は下がっています。
しかし、毎月の返済額を減らしたことで返済期間が長くなり、総返済額は借り換え前よりも増える結果になっています。
このように、「金利が下がったか」だけを見ても、借り換えの有利・不利を判断することはできません。
借り換え前後で、金利、毎月の返済額、返済期間、総返済額をまとめて比較することが重要です。
続いて本章では、リボ払いからカードローンへの借り換えを検討しやすいケースについて、以下のケースをご紹介します。
以降で確認しましょう。
借り換え後に適用される金利が現在のリボ払いの手数料率より低い場合は、検討しやすいケースの一つです。
ただし、金利差があるだけでは十分ではありません。
借り換え後の返済額や返済期間も確認し、実際に総返済額を抑えられる可能性があるか判断しましょう。
特に、残高が大きく、今後も一定期間返済を続ける予定の場合は、金利差が返済負担に影響する可能性があります。
リボ払いの残高が多く、現在の返済ペースでは完済まで長期間かかる場合も、借り換えを比較する意味があります。
残高が多いほど、また返済期間が長いほど、金利や返済条件の違いが総返済額に影響する可能性があるためです。
ただし、残高が多いからといって必ず借り換えをするべきというわけではありません。
現在の返済条件と借り換え後の残高や完済までの期間などの条件を比較し、実際にどのような返済計画になるのか確認する必要があります。
借り換えを検討する際には、借り換え後の返済を継続できることが前提になります。
例えば、金利を抑えるために毎月の返済額を大幅に増やしたとしても、生活費や教育費、住宅費などに影響し、途中で返済が苦しくなるようでは適切な返済計画とはいえません。
家計の収支を確認し、毎月継続して返済できる金額を考えることが重要です。
「できるだけ多く返済する」ことだけを目指すのではなく、生活に必要な支出も確保したうえで、無理なく続けられる返済額を設定しましょう。
次に、本章ではリボ払いからカードローンへの借り換えを慎重に考えたいケースをご紹介します。
具体的には以下が挙げられます。
以降で詳しく解説します。
リボ払いの残高が少なく、すでに完済が近い場合は、借り換えによるメリットが小さいケースが少なくありません。
例えばあと数回の支払いで完済できる状況であれば、新たにカードローンへ申し込んで返済先を変更する必要性は高くない場合が多いでしょう。
もし判断が難しい場合には、借り換え後の金利だけでなく、現在の返済計画のまま完済した場合の総返済額も確認します。
現在のリボ払いと借り換え後のカードローンの金利差が小さい場合も、慎重な比較が必要です。
金利差がわずかであれば、返済期間や返済方法によっては、総返済額が大きく変わらない可能性があります。
特に、借り換え後に毎月の返済額を減らして返済期間が長くなる場合は、金利差によるメリットを十分に得られないこともあります。
借り換えをする手間だけで判断せず、数字を比較して判断しましょう。
借り換え後、毎月の返済額を大幅に減らさなければ返済を継続できない場合は、借り換えだけで問題を解決できるとは限りません。
まずは家計全体の返済余力を確認することが重要です。
収入に対して、どの程度出費があるのかを整理し、そのうえで継続可能な返済額を考える必要があります。
具体的には、以下のような項目が挙げられます。
もし複数の借り入れがあり返済が困難になっている場合には一人で抱え込まず、公的な相談窓口などへ相談することも選択肢の一つです。
ここまで解説してきたように、借り換え先のカードローンを選ぶ際は、金利だけでなく返済条件全体を確認することが重要です。
本章では、借り換え先のカードローンを選ぶときのポイントについて、以下の視点をご紹介します。
詳しく見ていきましょう。
カードローンを選ぶ際には、まず現在のリボ払いの手数料率と比較します。
ただし、「年〇%~〇%」といった表記のうち、最低金利だけを見て判断しないことが重要です。
実際に自分へ適用される金利によって借り換えの結果は変わります。
現在の手数料率を確認したうえで借り換え先の金利条件を比較し、現在のリボ払いより金利が低いかどうか判断しましょう。
毎月の返済額が低いカードローンは、一見すると利用しやすく感じるかもしれません。
しかし毎月の返済額が低いほど、返済期間が長くなる可能性があります。
確認したいのは、単に「最低返済額がいくらか」ではありません。
実際に自分が設定する返済額で、
まで確認しましょう。
余裕のある月に追加で返済できるかどうかも、確認ポイントの一つです。
カードローンによって、繰り上げ返済の方法は異なります。
例えば、以下を確認しておくとよいでしょう。
追加で返済できる環境があれば家計に余裕があるときに元金を減らし、返済期間の短縮を目指しやすくなります。
借り換えを判断する際に重要なのは、最終的な返済計画を比較することです。
カードローンの返済シミュレーションなどを利用し、借り換え前後について、以下を比較しましょう。
特に、金利だけを比較すると判断を誤る可能性があります。
「毎月の負担を抑えたい」のか、「できるだけ早く完済したい」のかによっても、適した返済計画は異なります。
借り換え先を探す前に、現在の返済状況を確認することが大切です。
具体的には以下を確認すると良いでしょう。
以降で詳しく解説します。
借り換えを検討する前に、まず現在のリボ払いの状況を正確に把握しましょう。
確認したい主な項目は、次のとおりです。
残高については、「おそらくこれくらい」と考えるのではなく、クレジットカード会社の利用明細や会員サイトなどで確認することが重要です。
次に、現在の返済計画を確認します。
毎月いくら支払っているのかだけでなく、その返済を続けた場合にいつ完済するのかを把握しましょう。
もし完済時期がわからない場合は、カード会社が提供している返済予定の情報やシミュレーションなどを確認します。
現在の返済計画を把握してはじめて、カードローンへ借り換えた場合との比較ができます。
借り換えの判断では、金利だけを見るのではなく、次の3つをセットで比較することが重要です。
1.毎月の返済額
毎月の家計から無理なく支払える金額かを確認します。
2.返済期間
いつ完済できるのかを確認します。返済期間が長くなりすぎていないか注意しましょう。
3.総返済額
最終的に元金と利息を合計していくら支払うのかを比較します。
この3つを確認すると、「金利は下がったものの、返済期間が長くなっている」「毎月の負担は増えるが、早く完済できる」といった違いがわかります。
借り換えは、カードローンへ変更すること自体が目的ではありません。
自分の返済状況と家計に合った方法を選ぶことが重要です。
本章では、リボ払いからカードローンへの借り換えに関するよくある質問をご紹介し、回答します。
カードローンを利用してリボ払いを借り換える場合は、新たにカードローンへ申し込むため、審査があります。
審査では、各金融機関が定めた基準に基づいて判断されます。そのため、申し込めば必ず契約できる、希望額を必ず借りられるというものではありません。
信用情報機関には、クレジットやローンの契約内容や支払状況などが登録されており、ローン・クレジット会社は審査の際に信用情報を参考にしています。
リボ払いをカードローンで清算したという理由だけで、一律にクレジットカードが使えなくなるとは限りません。
クレジットカードの利用可否や利用可能額は、カード会社との契約内容や利用状況などによって異なります。
借り換え後のクレジットカードの扱いが気になる場合は、利用しているカード会社の公式サイトや契約内容を確認しましょう。
また、借り換え後に再びリボ払いの残高を増やすと、返済負担が重くなる可能性があります。
クレジットカードを利用する場合も、支払方法を意識することが重要です。
カードローンへの申し込みや契約、クレジットやローンの利用状況などは、信用情報として扱われる情報に関係します。
CIC(指定信用情報機関)には、クレジットやローンの契約内容、残高、支払状況などのクレジット情報のほか、新規申し込みに関する申込情報も登録されます。
ただし、「借り換えをした」という事実だけで、ただちに信用情報上の問題が生じると一律に判断することはできません。
信用情報はローンやクレジットに関する客観的な取引事実を扱うものであり、実際の審査は各金融機関が信用情報などを参考にしながら総合的に判断します。
本記事では、リボ払いからカードローンへ借り換えする場合の仕組みやメリット、注意点、判断基準を解説しました。
クレジットカードのショッピングリボ払いは、カードローンで借りた資金を使って残高を清算することで、借り換えできる場合があります。
検討する場合には借り換えそのものではなく、その後の返済計画が現在よりも適切になるかを確認することが重要です。
また、カードローンへ借り換えれば必ず返済負担が軽くなるわけではありません。
借り換えを検討する際は、現在のリボ払いと借り換え後のカードローンについて、次の項目を比較しましょう。
特に注意したいのは、金利だけを見て判断しないことです。
借り換え後に金利が下がっても、毎月の返済額を大きく減らせば返済期間が長くなり、総返済額が期待したほど減らないこともあります。
反対に、借り換え後も一定の返済額を維持できれば、返済期間の短縮や利息負担の軽減につながる可能性があります。
借り換えそのものを目的にするのではなく、現在の返済状況を整理したうえで、家計全体にとって無理なく続けられる返済方法を選ぶことが大切です。
※本記事は、2026年9月11日時点の情報をもとに執筆しています。

首都大学東京(現:東京都立大学)法学部卒業。バイヤー、貿易事務、コンサルと幅広い業界を経験。前職ではカスタマーサクセスとして、お客さまのお困りごと解決に従事していた。
子育てで退職後も「人のお困りごとをサポートしたい」気持ちからFP2級を取得。
同時にWebライターとして独立し、FPとしての知識を世の中に役立てる記事を執筆しながら”お悩みにとことん向き合うFP”を信条に活躍中。

2021年1月よりWebライターとして独立。大手生命保険会社の勤務経験や子育て経験などを生かしながら、おもにSEO記事の執筆活動を行う。金融ジャンルの記事執筆に携わるなかで出会ったFPに魅力を感じ、AFPまで取得。現在は独立系FPとして執筆業務をはじめ幅広く活動中。得意ジャンルは金融、保険、住宅、子育て。オンライン学習コミュニティにて、Webライティング講座のメンターも経験。プライベートでは4児の母。
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