第 199 回
キャッシングやカードローンの情報サイトを比較する時に注意すべきこと
キャッシングやカードローンの情報をインターネットで検索すると、膨大な数の情報があるのでかえって迷ってしまうかもしれません。そんな時のために、今のうちに比較するポイントを押さえておくと、必要に応じて自分に合った情報を選択することができます。
サイトの種類に注目
口コミや情報サイトは主に2種類に分かれます。1つは企業が運営するメディアとしてのサイトです。運営する企業は金融業者の子会社もありますが、IT系の人材派遣など全く別業種の企業が個人事業主に依頼している場合もあります。
もう1つはアフィリエイトと呼ばれる広告収入を目的としたサイトです。サイト作成者はホームページやブログに広告を掲載します。訪問者がその広告をクリックして商品やサービスを購入すると、広告主から成果報酬が支払われる仕組みです。
完全に中立な情報は難しい?
ここで考えたいのが、どちらの種類のサイトも「利益を目的」としてサイトを作成・運営しているということです。そのため完全に中立の立場で記事を書くことは難しく、運営元や広告主の意向に反するような情報は公表しにくい可能性があります。
特にアフィリエイトが目的で運営されているサイトでは、広告主の意向に沿う記事が望まれる場合があります。例えば、ダイエット商品の広告を掲載しているのに、「好きなものを好きなだけ食べるのが健康には一番です」という記事は商品を勧める上で望ましくはないでしょう。
注意すべき例
誰もが一定の判断基準を持って情報を取捨選択していると思いますが、ここで注意したいのは情報サイトでアピールしている言葉です。
「◯△の専門家」「プロが教える」
厳しい言い方ですが、専門家やプロは誰でも名乗れます。「金融業界で■年の経験」のような曖昧なプロフィールでは、どのくらいの専門性を持っているのか不明です。
「100%本物の口コミ情報」「ポイント形式でランキングを発表」
レストランやラーメン屋の口コミ情報サイトと同じで、投稿内容が事実であっても、万人にある商品が合うとは限りません。同様に総合評価の高さが、自分のニーズと一致するかは別の話です。
「大絶賛の嵐」「絶対にオススメです!」
上記で述べた通り、高評価でも人によっては合わない場合もあり得ます。批判的な評価が一切ないのは自作自演や偽物の情報か、高評価の情報だけを意図的に抽出している可能性があります。
正しい情報を選別するポイント
前節では注意すべき情報の例を挙げてみました。次は、より信頼度の高い情報を選択するポイントを紹介します。
「FPが監修」「執筆FP紹介」
FP(ファイナンシャル・プランナー)はお金の相談に対して、解決策をアドバイスする専門家です。理念を持った専門性の高いFPであれば、読者に有益な情報を提供し、不利な情報も伝えるように執筆や監修を行うでしょう。
ただし、必ずしもキャッシングに関する知識が豊富なFPであるとは限りません。FPの実績だけでなく、実際の執筆監修記事を精査して判断しましょう。
情報の根拠を示している
単に「〜と言われています」「〜な場合が多いです」という表現より、具体的な数字などの根拠を示している方が信頼度は高いでしょう。例えば「金融庁の〇△という資料では」「日本貸金業界の統計によると」などの出典がある方が、より信頼度が高いと言えます。
情報の鮮度
記事が書かれた日付や更新日が古いと、それだけ情報の鮮度が落ちます。クレジット業界も他業種と同様に栄枯盛衰があるので、可能な限り新しい情報を参考にしましょう。
正しい情報を収集できるように精査しよう
カードローンは無担保無保証でお金を借りることができるので、一定の需要は常にある状態です。そのためアフィリエイトを狙う層も多く、情報は玉石混交と言えます。しかし、どんな情報も「信頼できなくても参考情報にはなる」という考え方は可能です。
自分にとって信頼度が高い、必要な情報を収集できるようにしたいものです。
執筆日2023年5月8日
監修日2023年5月12日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。