第 188 回
おまとめローンにする前に!おまとめローンのメリットと注意点を再確認
おまとめローンとは、現在複数社で契約しているローンを1つにまとめ、借入・返済を一つの金融機関で行う方法です。
今回は、おまとめローンのメリットや注意点を解説します。
おまとめローンのメリット
おまとめローンを利用することで、以下のようなメリットがあります。
(1)金利が下がる可能性がある
まず、比較的高金利の消費者金融等でローンを組んでいる場合、銀行等のおまとめローンを検討することで現在より低い金利での借入が可能です。
また、銀行等のローンでは審査が通らず消費者金融のおまとめローンを選択する場合でも、現在より低い金利が適用される可能性があります。
その理由は、借入金額が大きくなればなるほど適用金利は下がることが多いためです。複数社の借入残高を1社にまとめることで借入金額が大きくなり、低い金利が適用されるケースがあるのです。
利息制限法でも、上限金利は借入金額ごとに設定されています。借入元本が多いほど上限金利は低くなるため、おまとめローンで全ての借入金額を合算することで、上限金利で借入する場合でも金利が低くなることが期待できます。
(2)返済日、金利、借入残高が一本化
複数社での借入を繰り返していると、どこでいくら借りているのか、借入残高をご自身でも把握できなくなっているケースも多いのではないでしょうか。
お金の流れの可視化は、返済プランを立てるにあたって重要なポイントです
借入を1箇所にまとめることによって、月々の返済金額や借入残高の総額がわかりやすくなり、完済までのプランも立てやすくなるでしょう。
また、複数抱えていた月々の返済日が1日にまとまることで、心理的負担も軽減されるかもしれません。
おまとめローンの注意点
メリットとして借入金利が低くなる可能性を挙げましたが、注意していただきたいのが返済総額です。
返済総額は要チェック
借入が1社からとなるため、1ヶ月ごとの支払額をとにかく減らしたい!という方も活用できる制度ではあります。しかしその場合返済期間が長期になりがちです。
もし金利を低く抑えることができた場合でも、返済期間が伸びれば伸びるほど利子は膨れ上がり、返済総額は変わらないもしくは増加する可能性があります。
月々の返済額の多さに悩んでいる方にとっては救済措置にも感じられますが、返済総額が増加する場合は長期で考えるとベストとはいえません。
できるだけ返済総額を減らすことを考えて月々の支払額や返済期間を設定することが、おまとめローンを賢く利用するポイントです。
あくまでも借金の完済が目的
おまとめローンは、本来借金の完済を目的としたシステムです。そのため、原則は返済のみで、同金融機関からの追加の借入はできないようになっていることが多いです。
月々の返済資金の目処が立っている方が、より返済総額を少なくするために有効な制度といえます。
そうでない方にとってはデメリットが目立つ結果にもなりかねませんので、ご自身の状況と照らし合わせてよく計算、検討の上で決断するようにしましょう。
執筆日2023年4月29日
監修日2023年5月10日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。