第 77 回
クレジットカードやポイントで投資ができる?仕組みとやり方を解説
ここ数年、クレジットカード決済やポイントで投資ができる証券会社がでてきています。利用できるのは個別株式や投資信託の積立投資で、積立投資においては積立金額に応じてポイントが貯まり、さらにそのポイント自体で積立投資ができるため、気軽に利用できると人気になっています。
今回は、クレジットカード決済およびポイントで積立投信を行う仕組みについて、説明します。
クレジットカードで積立投資する仕組み
これまで、証券会社で投資信託の毎月積立投資を行う場合は、予め決めた銀行口座からお金が引き落とされていましたが、クレジットカード決済では積立投信購入時にクレジットカードから購入金額が支払われます。
クレジットカード決済による積立投信購入が可能な証券会社は、楽天証券やtumiki証券などグループ会社内にクレジットカード会社を持つ場合が多く、利用可能なカードも同グループ内のクレジットカードに限られています。
(例:楽天証券→楽天カード、tumiki証券→エポスカード、等)
また、会社にもよりますが投資額に応じてクレジットカードのポイントが貯まります。
ポイントだけでも投資が可能
クレジットカードやネットサービス等で貯めたポイントによる投資には、主に以下の二通りの方法があります。
1. ポイントで実際の投資信託へ投資する
楽天証券では、楽天ポイントを1ポイント=1円で換算し、実際の国内株式や米国株式、投資信託などを購入することができます。利用できる楽天ポイントは、クレジットカードで買い物等をして貯めたポイントの他、投信積立をクレジットカード決済にすることで発生したポイントです。
ただし、期間限定ポイントや他ポイントから交換したポイントは利用できません。
2. ポイントを運用する
NTTドコモが運営している「dポイント」では、実際に投資信託等を購入するのではなく、dポイント自体を運用することができます。dポイントから交換した「運用ポイント」を11種類の投資先から選ぶことができます。運用ポイントの利用料および手数料はかからず、いつでもdポイントに交換(引出)することができます。
また、セゾンカードでも永久不滅ポイントを運用できるサービスを開始しています。投資対象は国内株式やアクティブ投資、TOPIXに連動したインデックスファンドなどがあり、実際の株価に連動しポイントが増減します。
「株式コース」では、1株の価値になった際に現物株式に交換が可能です。
「投資信託コース」では手数料が一切発生しませんが、「株式コース」には所定のポイント交換レートがあります。
無理なく貯めたポイントで効率の良い投資を
クレジットカードを利用して獲得したポイントを基に、投資信託の購入やポイント自体の運用ができるようになりました。積立投資でクレジットカード決済をしてポイントをもらった上で、ポイントの運用もすることでより投資効率を上げることができます。
ただし、ポイント欲しさにクレジットカードの利用額を増やすのは本末転倒ですので、よく考えて利用しましょう。
執筆日2023年4月17日
監修日2023年5月12日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。