第 146 回
公務員専用カードローンとは?特徴や条件、注意点まとめ
カードローンの審査で重視される項目は、「収入の総額」よりも「収入の安定性」です。そして、収入が安定している職業の代表が公務員です。一部の地方銀行や信用金庫では公務員専用のカードローンを扱っています。
公務員は安定性が高い
公務員は民間企業よりも業績の影響が少なく、雇用や収入が左右されることも少ない職種です。派遣社員やパートのように業績悪化で契約が解除されることもなく、大きな不祥事を起こさない限り解雇されるリスクも限りなく低いです。
ボーナスや退職金が充実している点も考えると、公務員の安定性は高く評価されると考えられます。
公務員専用カードローンの特徴
公務員専用カードローンの特徴として、通常のカードローンより金利が低く設定されていることが挙げられます。ただし、提供する地方銀行や信用金庫のサービス対象エリアに居住していることが条件となります。
審査項目は通常のカードローンとほぼ同様です。勤続年数は長い方が審査に有利であることは確かでしょう。そのため、民間から公務員に転職直後で1年に満たない場合などは審査で不利になる可能性があります。
また、過去に延滞などを繰り返して信用情報に傷がついている場合は、審査で不利になる可能性が高いでしょう。
注意点
全ての公務員が審査で有利になるわけではありません。例えば特別職と呼ばれる選挙で選ばれた職業では、次の選挙に落選した場合に収入がゼロになるため安定性が低いと判断される可能性があります。
また、自衛隊に勤務している場合、信用力は高いですが、自衛隊内部では散財や借金に好意的な印象を持っていません。そのため、借金が発覚した場合は個別の指導が行われます。
公務員の定義については各金融機関ごとに異なり、公務員専用ローンの利用条件に記載されています。単に「公務員の方」とだけ記載されている場合もあれば、「NTT・JT・電力会社の正社員の方」など公務員以外(いわゆる「みなし公務員」。公務員ではないが、刑法では公務員として扱われる)まで含めている場合もあります。
含まれない例では「臨時・嘱託・パート職員は対象外」と明記している金融機関もあります。どこまでが対象範囲か確認したい場合は、各金融機関に問い合わせることをおすすめします。
公務員は選択肢をさらに増やすことも
公務員には共済組合の貸付制度もあり、低金利で借り入れできる環境が充実していると言えるでしょう。もし合致する条件の地方銀行や信用金庫がお近くにあれば、公務員専用カードローンも選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか?
執筆日2023年5月8日
監修日2023年5月12日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。