第 157 回
カードローンの返済で最後に残った端数はどうなる?取扱いや返済方法について解説
カードローンの借入額は1,000円から可能な場合もありますが、1万円単位で借り入れることが多いと思います。借入額が1万円単位でも、ほとんどの場合は利息の関係で最後の返済に端数が発生します。返済額は1,000円単位の場合が多いですが、最後に残った端数はどうすればよいのでしょうか?
端数の借入残額の扱い
消費者金融や銀行のQ&Aを参照すると、千円未満の端数は「無利息残高」という扱いとなることが多いようです。「無利息残高」とは利息・手数料が付かず、支払い期限も設定されない残高のことです。
金額は金融機関ごとに違いがありますが、この無利息残高を「事実上の返済完了」と明記している金融機関もあります。
再度カードローンを利用する際には、最初の返済時に前回の残っていた端数を清算することが一般的です。端数を無利息残高という扱いにしておくことで、「またのご利用をお待ちしております」という金融機関の姿勢が伺えます。
端数を残すデメリット
金融機関が端数を「返済完了」と扱ってくれるといっても、信用情報には借入残高と契約状況が残り続けます。
住宅ローンの審査ではカードローンで多額の借り入れがあると明らかに不利ですが、端数だからと放置しておくと小さな金額でも審査に影響する可能性があります。住宅ローンを利用する予定があれば、「完済扱い」ではなく確実に完済する方が安心でしょう。
また、カードローンを解約したい場合には端数の清算が必要になります。
端数を返済するには
端数を返済する方法は、返済手段によって制限があります。
最も確実なのは口座振替を利用している場合です。口座振替以外の返済手段を利用している場合は、返済完了が近づいてきたら口座振替に変更するのも1つの方法です。
インターネットバンキングの振込手数料が無料の金融機関であれば、余計な手数料を支払うことなく端数を清算することができます。
ATMで返済する場合には条件を確認する必要があります。カードローン発行元の自社ATMであれば硬貨の取り扱いができたり、千円札で清算してお釣りが出る場合もあります。
一方、ほとんどのコンビニATMでは硬貨の取り扱いができません。提携銀行のATMでは硬貨の取り扱いができる機種もありますが、振込手数料が発生する場合があります。
銀行振込も提携銀行のATMと同様に、振込手数料が発生する場合があります。端数を返済するために手数料を払うのは、ちょっと納得がいかないかもしれませんね。
金融機関の窓口は確実な返済手段ですが、消費者金融では店舗自体が少ないので行く手間がかかります。
どの方法が一番良い返済手段か金融機関に問い合わせることをお勧めします。
返済は細かなところまで気を遣いましょう
カードローンの返済は最後に端数が発生することが多くあります。そのまま放置しても利息や手数料は発生しませんが、やはり完済するメリットの方が大きいでしょう。
端数を返済する手段はそれぞれにメリットとデメリットがあるので、金融機関に問い合わせた上で検討することをおすすめします。
執筆日2023年5月8日
監修日2023年5月12日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。