第 74 回
自動契約機とは?無人の契約機で契約する方法とメリット・デメリットを解説
消費者金融の利用を促進した大きな原動力が「自動契約機」です。今回は、大手消費者金融のCMで知名度が向上した自動契約機のシステムと特徴に焦点を当ててみます。
自動契約機とは
消費者金融の無人契約機が最初に設置されたのは1993年です。
通信回線を使って、オペレーターが監視するシステムで申し込みや審査を行います。店舗を構える必要がなく無人拠点を開設できるため、利便性向上・コスト抑制・人件費削減などの効果があります。
プライバシー保護
無人契約機に入室すると、手続き開始とともにドアがロックされ、他人が入ることはできません。内側からは手動で開けることができます。
無人契約機には原則1人しか入室できません。同伴者が申込者と親しい間柄なのか、特殊詐欺の実行人が随行しているのか判断できないからです。
また、いかなる関係者であっても個人情報が第三者に漏れることを防がなくてはなりません。そのため、2人以上で入室した場合は、オペレーターから本人以外は退出するよう注意を受けます。
メリット
自動契約機の大きなメリットは、郵送では待つ必要があるローンカードを早く受け取れることです。
申し込みから審査・契約までの全てを自動契約機で行うのではなく、事前にインターネットで申し込みや審査まで済ませておけば、自動契約機に来た時点でローンカードを受け取るだけなので、融資までの時間を短縮することができます。
また、自動契約機は24時間営業ではないものの、店舗より営業時間が長く21時まで営業している金融機関が多いです。そのため条件が合えば即日融資も可能です。
自動契約機は無人契約機とも呼ばれますが、通信回線を使ってオペレーターと繋がっているので完全に無人ではありません。
不明な点や困ったことがあればオペレーターにその場で相談できるので、店舗窓口で契約するのと同じ安心感があります。
デメリット
デメリットとして、自動契約機まで直接行く必要があります。
全国で1,000台以上を設置している金融機関もありますが、近くに設置されていないと遠くまで行くのが大変かもしれません。
また申し込みから全ての作業を行うと時間を要するので、自動契約機の中である程度の時間を待つ必要があります。すでに先客がいた場合は空くまで待たなければなりません。
自動契約機の中は申込者本人しかいないので、人目を気にすることがありませんが、自動契約機に入室する時はどうしても人目につく危険があります。地方では自動契約機の数が少ないので、人目につくのが嫌な人には抵抗があるかもしれません。
自動契約機の利用はメリットデメリットを考えて
自動契約機にもメリット・デメリットがあることがお分りいただけたでしょうか?
基本的には自動契約機の方が便利ですが、人によっては自動契約機のほうが不便であったり、プライバシーが漏れたりするかもしれません。
所要時間・場所・緊急度・必要額などを熟慮してから、自動契約機の利用を検討することをおすすめします。
執筆日2023年4月17日
監修日2023年5月12日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。