第 52 回

銀行系消費者金融とは?非銀行系消費者金融との違いを解説

坪谷 亮

銀行系消費者金融とは?非銀行系消費者金融との違いを解説

TVCMや街の広告で、ここ10年程の間に消費者金融会社名の前に「○○銀行グループ」と付いている消費者金融を多く見かけるようになりました。
「銀行グループの消費者金融なら、それ以外の消費者金融より金利も低く安心なの?」と思うかもしれませんが実際はどうなのでしょうか。

今回は、銀行系消費者金融の実態について解説します。

銀行系の消費者金融が増えた背景

「○○銀行グループ」と会社名の前につく消費者金融が増えた大きなきっかけは、2006年1月13日に最高裁で出されたグレーゾーン金利を違法とする判決でした。

「グレーゾーン金利」とは、利息制限法の上限15%~20%と、出資法の刑事罰対象となる金利の上限29.2%の間にある9%程の適用上限金利の差です。この判決が出るまで貸金業者は、出資法の刑罰対象となる金利の上限を消費者の借入れ金額に適用していました。

この判決をきっかけに出資法が改正され、出資法の刑罰対象となる金利の上限も利息制限法の上限金利と同じ水準となりました。

また、利息制限法を超える上限金利で発生した利息を、過払い金請求を行うことによって取り戻せるようになりました。増加する過払い金請求に対する過払い金の返還や総量規制の導入もあいまって、消費者金融の経営は急激に悪化していきました。
2006年には14,000社近くあった登録貸金業者も2023年には1,500社程まで減っています。
つまり、2006年時点の登録貸金業者の約90%が統廃合されたという事になります。

このように、経営難という苦境に立たされた消費者金融は、銀行グループという信用力とブランド、財政基盤の安定を得て倒産を免れるため、銀行に助けを求めるようになります。
助けを求められた銀行側も、バブル崩壊後企業向け融資が縮小し減収に悩まされており、個人向け融資に活路を見出そうとしていました。

消費者金融を傘下に収めることで個人向け融資のノウハウを得る事ができること、消費者金融にカードローンの保証会社になってもらい、利用者から返済がない場合は代わりに消費者金融から返済してもらうことでリスクを減らすことができる、といったメリットがあったため、消費者金融に積極的に融資や買収を行ったのです。

銀行系消費者金融と非銀行系消費者金融の違い

銀行系消費者金融は、銀行傘下であるため財政基盤は非銀行系消費者金融より安定しています。また、銀行グループというブランドにより、顧客に安心感を与えています。

しかし、実際のサービスなどはどちらもさほど大きな違いはありません。銀行系だからといって金利が低いわけではなく、また総量規制の対象である事に変わりはありません。

2つの消費者金融の背景を知った上で選びましょう

銀行系・非銀行系消費者金融ともに商品にさほど差はありませんが、ご自身のニーズに合った会社を選ぶ際のポイントの1つとして、財務基盤や利便性、細かい条件などに注目してみてはいかがでしょうか。

執筆日2023年4月15日
監修日2023年5月5日

執筆者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

監修者 阿部倉 弘子 (あべくら・ひろこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。

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