第 147 回
カードローンは在籍確認が必要。在籍確認の仕組みと対処法を知っておこう
ほとんどの金融機関ではカードローンの審査で在籍確認を行います。勤務先や収入などの属性は自力で変更することはできませんが、在籍確認は自分で失敗を回避する対処をすることができます。その逆に、自分の不注意で審査が通らなくなることもあります。
在籍確認の基本
カードローンの審査は一般的に「属性審査」→「在籍確認」という順番で行われます。在籍確認はカードローン会社が申込者の勤務先に電話で連絡し、その会社に勤めていることを確認する手続きのことです。
消費者金融の場合は貸金業法で「契約者以外に契約の事実を知らせてはいけない」と定められています。そのため、電話で個人名を名乗るなど、カードローンの在籍確認であることを悟られないような配慮をしてくれます。
バレたくない場合は
カードローンを申し込んだ場合、職場にバレることを避けたい人もいるでしょう。その場合は自分で電話を取ることが一番の対策です。基本的に在籍確認は抜き打ちで行われますが、金融機関によっては大まかな時間を指定できることもあります。
自分が会社で電話に出られる時間帯を指定すれば、他の人が電話に出る可能性を下げることができます。
消費者金融ではなく銀行のカードローンを申し込んだ場合は、在籍確認があることを事前に周知しても問題ないかもしれません。銀行は通常であれば銀行名を名乗りますが、カードローン以外の金融商品に関する連絡をすることがあるからです。
事前に「銀行でクレジットカードを申し込んだから在籍確認の電話があるかも」と言っておけば、特に怪しまれることもないでしょう。
在籍確認ができないパターン
在籍確認ができないのは、いくつかパターンがあります。
(1)夕方以降に開店する飲食店などでは、午前中に電話がかかってきても誰も出ない場合があります。この場合は在籍確認ができないと判断されてしまいます。
(2)従業員が多い企業では電話に出た人が申込者と面識がない場合もあります。そういったケースを回避するためには、申込者が所属する部署の電話番号を伝えるのがよいでしょう。
また、電話に出た方がプライバシー保護の観点から在籍の有無を回答しない場合も考えられます。そうなる可能性がある場合は、最低限の事情を事前に話しておくことが必要でしょう。
(3)派遣社員の場合は派遣先の企業名で申し込んでしまうと、在籍確認ができない場合があります。派遣社員は派遣元の企業名で申し込むことをお勧めします。
在籍確認はあくまで簡易的な確認のため
在籍確認では在籍が確認できればよいので、申込者本人が電話に出られなくても「ただいま席を外しております」などの回答であれば問題ないでしょう。在籍確認を過剰に心配する必要はありませんが、ご自身の状況に応じて可能な限り事前に対策することをおすすめします。
執筆日2023年5月8日
監修日2023年5月12日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。