第 121 回
カードローンの利用残高が減らない!その原因と返済シミュレーション
毎月カードローンで借入金を返済しているのに、なかなか利用残高が減らない…。
そう感じるのはおそらく「利息」が原因です。
今回は、実際に利息の計算と返済シミュレーションを行いながら、利息を減らす効果的な手段について解説します。
カードローンの利用残高が減らない原因
毎月きちんと最低返済額以上の返済はしているのに、一向に利用残高が減らない。
その原因は「利息」であることが多いです。
返済額の大半が利息の返済に充てられて肝心の元金が減らないため、なかなか返済が終わらない状況になっています。
そこで、まずは利息の計算と返済シミュレーションをして、利息がどのくらい返済に影響を与えているのか、確認してみましょう。
利息の仕組みと計算方法
現在、返済している借入金にどのくらい利息がかかっているのか、正しく把握していますか?
借入額に対する利息は以下の計算式で求められます。
例えば、実質年率18.0%で30万円の利用残高が残っている場合、30日間で発生する利息は
「30万円×18%×30日/365日≒4,438円(小数点以下切捨)」
となります。
返済シミュレーションをしてみよう
返済金額に対する利息の影響を、返済シミュレーションを使って実際に確認してみましょう。
例)利用残高30万円を、実質年率18%で毎月1万円返済した場合と2万円返済した場合を比較
https://bank-loan-ranking.com/hensai_simulation.html
シミュレーション結果
- 毎月1万円の返済→総利息金額:101,551円
- 毎月2万円の返済→総利息金額:42,416円
このように、毎月の返済金額を2倍にすると支払う総利息金額は半分以下になります。
利息を減らす効果的な手段
返済シミュレーション結果が表すように、利息を減らす効果的な手段として以下二つの方法があります。
- 月々の返済額を増やす
- 任意のタイミングで繰上げ返済をする
これにより、元金の返済にまわる金額が増え総支払利息を減らすことができます。
利息は想像よりも重たいことがある
毎月の返済金額のうち、利息の返済に充てられているのがどのくらいかを把握せずにいると、肝心の元金が減らず思っている以上に長期間、多くの金額を支払うことになります。
家計を見直して毎月の返済額を増やす、余裕のある時は繰上げ返済をするなどして早めに返す方が有利になります。
執筆日2023年4月19日
監修日2023年5月14日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。