第 13 回
クレジットカードでキャッシングする際の利用方法と注意点
クレジットカードに付帯している「キャッシング」機能。
お金が急に必要になった際に使えば即座にATMから現金を引き出す(借りる)事が可能です。
そんな便利なキャッシングも使い方を誤ると、家計にとって大きな負担となります。
今回はキャッシング機能の仕組みと、利用する際の注意点について説明します。
キャッシング機能の仕組みと利用方法
キャッシングとは、クレジットカードのキャッシング枠を使ってお金を借りる事を指します。クレジットカードを申し込む際に「キャッシング枠」を0円に設定していなければ、いつでも利用できる機能です。手持ちのクレジットカードを使用する為、あらたな審査や借入れ手続きが必要ありません。
借入れ方法は大きく分けて2種類あり、インターネットから申込みをして銀行口座に振込してもらう方法と、ATMで現金を引き出す方法です。
海外でもキャッシングを利用して、提携ATMから現地通貨を引き出す事が可能なので、海外旅行の際に便利です。
キャッシング機能には利用限度額が設定されており、「利用限度枠」と呼ばれています。
クレジットカードのショッピング枠、キャッシング枠それぞれで「利用限度額」が提示されますが、実際には、キャッシングの「利用限度枠」はクレジットカードのショッピング枠に含まれています。
そのため、ショッピング枠の使用状況によりキャッシング枠が満額使用できない場合があります。
ショッピング枠50万円、キャッシング枠20万円では
- 当月ショッピング枠を40万円分使っている場合はキャッシング枠として使えるのは10万円になります。
- 当月ショッピング枠を50万円分使っている場合はキャッシング枠として使えるのは0円になります。
キャッシングする際の注意点
クレジットカードに付帯している機能ではありますが、「キャッシング=借入れ」です。
ATMから現金を引き出す場合は特に、自分の預金残高からお金を引き出す感覚と似ているので借り入れをしている感覚が薄まりがちです。そのため、きちんと利子を払ってお金を借りている認識を持つ必要があります。
また、金利も銀行カードローンよりキャッシングの方が基本的に高めに設定されているので、至急で借りたい場合でない限り、銀行カードローンを利用した方が支払い金利は低くなります。
キャッシングの返済方法
キャッシングの返済方法には主に「一括返済」と「リボルビング払い(リボ払い)」の2つがあります。2つのどちらが支払い利子を抑えられるかと言えばもちろん「一括返済」です。キャッシングは金利も高めなので、余裕がでてきた際は一括返済を利用しましょう。
やむをえずリボ払いを選択する場合でも途中で繰り上げ返済をするなどして、なるべく早く返すのが利子を含めた返済総額を減らすために有効です。
キャッシングとうまく付き合うために
キャッシングは、「すぐに少額の現金が手元に必要!」といった場合に手元のクレジットカードを利用してすぐに借り入れができる、便利な借り入れ方法です。ですが、借り入れした金額には金利が適用され利子がつく、「借金」の一種です。
本来であれば返済シミュレーションをして、きちんと返せる算段をしてから借りるのがベストです。また、借入れする前に「他の低金利で借りられる方法がないか?」、「そもそも借入れしないで解決できないか?」など、複数の手段を検討することが大切です。
執筆日2023年4月12日
監修日2023年4月25日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。