第 42 回
ギャンブルとキャッシングの関係は?ギャンブルのために借金をする人は約5%
「ポーカーの世界チャンピオン」と聞くとスターのように聞こえますが、ポーカーにも「カードゲーム」と「ギャンブル」という両面があります。
この記事ではギャンブルの是非を問うのではなく、ギャンブルとキャッシングの関連性を考察してみます。
キャッシングにおけるギャンブルの割合
日本貸金業協会の分析レポートによると、キャッシングの使途で「ギャンブル」と回答した人の割合は、ここ数年では、4~5%前後で推移しています。
また、年代別では20代以下が9.2%と一番多く、年齢を重ねるにつれ下がっていく傾向にあります。今後の見込みでは、また5%以下に下がっていくことが予想されています。
出典:日本貸金業協会「貸金業関連資料 調査・分析レポート等(令和4年度)」
なぜ依存症になるのか
ギャンブルには依存性があることはよく言われています。
最近では、スマートフォンでの利用を中心とした「ソーシャルゲーム」と呼ばれるオンラインゲームも同様に依存性が指摘されています。金銭の介在を考慮しない場合、ギャンブルとゲームに共通する2つの側面があります。1つは自分で試行錯誤して合理的な選択をした結果、勝てる確率が高まるような「頭脳戦」としての側面。もう1つは行動が「運」に左右される側面です。
この「頭を使う割合」と「運」の要素が絶妙なバランスだから、依存症になるのではと考えられます。完全に「運」が支配する宝くじをキャッシングして購入するとは考えにくいです。
『もう少し運があれば勝てたのに!』という心理になるから続けたくなるのであり、もっとお金を使う動機になり得るのだと考えます。
キャッシングの返済とギャンブルは真逆
ギャンブルとは反対に、キャッシングやローンの返済は「運」の要素が入り込む余地がありません。今月はラッキーが重なったからだいぶ返済できたとか、運が悪かったから借り入れが増えてしまったとか起こりません。まさに「計画的に」返済していくものです。
つまり、運の要素が入り込む余地のないキャッシングの返済と、運に左右されるギャンブルの相性がよい理由はありません。
いざという時は自粛制度を
日本貸金業協会には貸付自粛制度というのがあり、「自分は浪費癖がある」「ギャンブル依存症だ」などと申告すれば「自粛対象者」として登録することができます。
自粛対象者になると信用情報にその旨が登録されるため、5年間は借り入れを制限することができます。
困窮してもギャンブルをやめられないのであれば、キャッシングができないようにすることも検討する必要があります。
ギャンブルはあくまで余剰資金の範囲内で楽しみましょう。
執筆日2023年4月15日
監修日2023年4月30日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。