第 143 回
金利の優遇も!運転免許証を返納するとお得な特典がたくさん受けられる!
高齢者の交通事故増加に伴い、「運転免許証の自主返納」を促すニュースなどが昔より多くなってきました。生活に欠かせない車を手放すことは不安もありますが、自治体によっては運転免許証の自主返納を促進しており、自主返納したドライバーを対象にタクシーやバス代の割引などの特典を用意しています。
そこで今回は、運転免許証の自主返納制度におけるメリットについて解説していきます。
運転免許証の自主返納制度とは?
運転免許証が不要になった人や加齢による身体機能の低下で車の運転に不安を感じている人が、自主的に運転免許証を返納できる制度です。
運転免許証を自主返納すると受けられる特典
各都道府県では、運転免許証を自主返納しやすい環境をつくるため「高齢者運転免許自主返納サポート制度」を行っています。
運転免許証の自主返納者は「高齢者運転免許自主返納サポート制度」により、各自治体のサポート企業・店舗で「運転経歴証明書」を提示することで様々な特典を受けられます。
ほとんどの自治体が、「高齢者運転免許自主返納サポート制度」の対象を65歳以上の方としていますが、70歳以上から対象となる自治体もありますので、ご自分の住んでいる自治体の情報をチェックしてみましょう。
「運転経歴証明書」の提示で受けられる特典とは?
各自治体により多少異なりますが、「運転経歴証明書」の提示で以下のような特典が受けられます。
- 定期預金の金利優遇
- 自主返納者の家族を対象とした自動車ローンの金利優遇
- 引越し代金の割引
- ホテル、レストランの割引
- デパートから自宅への配送料無料
- バス、タクシー、鉄道の運賃割引
- 温泉入浴宿泊割引 など
車を手放すことで、車の必要のない生活圏への引越しを検討される方もいるのではないでしょうか。
そのような場合の「引越し代の割引」は助かりますね。
また、運転免許証を自主返納したあとに家族からの送迎などのサポートが必要な場合、家族が新しい車に買い替えるケースもあるでしょう。
そのような場合に「自動車ローン金利優遇」の特典は、自主返納者の家族にとってもメリットがあります。
運転免許証の自主返納で生ずる不安を解消するには?
運転免許証の自主返納を考えたとき、これから先の生活が不便にならないか、心配な方もいるでしょう。
そんな不安の解消方法をご紹介します。
「運転経歴証明書」の取得
公的な身分証明書の提示を求められたとき、ほとんどの方は運転免許証を提示されるのではないでしょうか。
運転免許証を自主返納するときには「運転経歴証明書」を取得し、運転免許証に代わる公的な身分証明書として利用しましょう。
公共交通機関の割引を活用
運転免許証の自主返納で車を手放すと特に地方では移動手段に困りますが、多くの自治体ではバスやタクシーなどの公共交通機関で割引を受けられる特典があります。
車を所有すると税金や保険、ガソリン代や車検費用などの維持費がかかりますが、運転免許証の自主返納後は割引を受けた公共交通機関を利用することで、金銭的にも余裕を持った生活ができる可能性もあります。
運転免許証の返納はデメリットだけではない
車の運転ができなくなると、これからの生活に対して新しい不安が生まれますが、運転免許証の自主返納は、自主返納者本人はもとより他人の命も守る大変メリットのある選択となります。
運転免許証の自主返納後にどのように生活をしていくか、不安な点をひとつずつ解決し、命も守るためにも、ご家族の今後を話し合ってみてはいかがでしょうか。
執筆日2023年5月15日
監修日2023年5月17日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。