第 59 回
信用金庫のローンは審査が甘い?銀行との違いやメリット・デメリットまとめ
信用金庫では、銀行と同様にカードローンや住宅ローンなどを取り扱っています。
その審査は銀行より甘いと言われていますが、実際の信用金庫の仕組みはどのようになっているのでしょうか?
信用金庫(信金)とは
信金と似ている銀行は皆さまごご存知かと思いますが、実際にこの2つの違いが分かっているようで分からないという方が多いのではないでしょうか。
「一般社団法人全国信用金庫協会」の説明によると、「銀行は、株式会社であり、株主の利益が優先され」るのに対して、「信用金庫は、地域の方々が利用者・会員となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関」という点が大きく違います。
(一般社団法人全国信用金庫協会「信用金庫と銀行・信用組合との違い」より引用)
また信金の特色として「会員制度」があります。
信金の営業地区内に住む人が信金に出資を行うと会員になることができます。会員になると、カードローンをはじめとした融資を受けることができます。
また信金の特色として「会員制度」があります。
信金の営業地区内に住む人が信金に出資を行うと会員になることができます。会員になると、カードローンをはじめとした融資を受けることができます。
保証会社の違い
信金は、銀行とは違った独自の保証会社を利用しています。
まず1つは「一般社団法人しんきん保証基金」、もう1つは「信金ギャランティ株式会社」です。信金でローンを申し込むと主にこの2つが審査を担当します。
どちらも他社の借入金額や過去の返済状況など、信用情報が重要な審査基準になるのは銀行や消費者金融と同じです。
信金はローンの審査が甘い?
信金の審査の特徴は、信用情報以外に信金の取引状況が加味される点です。具体的には「給与振込の口座で使用していると有利」と言われています。
また「公共料金の引き落とし先」として使用している、「定期預金や定期積金を利用している」と同様に審査に有利と言われています。
安定した収入があり、返済に問題がないと判断されるからです。
信金は、会員からの出資を元に運営しています。そして、預かった資金を相互扶助という経営理念に従って地域社会の発展のために運用します。そのため、信金との取引状況が良好な会員は審査で有利になる可能性があります。
信金によっては再度ローンを利用する場合、金利や保証料が優遇される「リピートプラン」を用意していこともあります。
信金のメリットとデメリット
取引状況によっては審査が優遇される可能性があることは、信金のメリットと言えます。
ただし審査と融資に時間を要するのがデメリットです。
しかし、取引が地域密着型で融通が効く可能性がある点は、大きなメリットといえるでしょう。
地域の活性化を応援するための信用金庫
信金のローン商品の説明に、取引が多い会員を審査で優遇する旨は記載されていませんが、既に取引があれば金利が優遇されると記載されているローンはあります。
今お住いの地域に今後も継続して居住する予定であれば、資金調達に信金のローンのご利用も検討してはいかがでしょうか?
執筆日2023年4月15日
監修日2023年5月13日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。