第 80 回

おまとめローンと任意整理、返済が大変な時はどちらを選ぶべき?

坪谷 亮

おまとめローンと任意整理、返済が大変な時はどちらを選ぶべき?

複数のローン会社でローンをたくさん組んでしまい、返済が大変・・・。
そんな時に思いつくのが、「ローンの一本化(おまとめローン)」と債務整理の一種である「任意整理」ではないでしょうか。

今回は、借金を完済したい場合に「おまとめローン」と「任意整理」のどちらを選ぶべきなのかについて説明します。

おまとめローンと任意整理との違い

おまとめローンと任意整理は、どちらも返済が大変な時の対応策ですが、全く別のアプローチ方法です。

おまとめローンの特徴

おまとめローンとは、複数社からの借入れを1社にまとめることで適用される金利を下げ、結果として月々の利息と返済金額を減らして完済しやすくしたローンです。

例えば、3社に50万円ずつ年率18%で借入れしていたものを、1社で150万円の借入れにまとめた場合、利息制限法に則り適用される金利は15%以下となるので、支払い利息や月々の返済額を抑える事が可能になります。また、返済日もまとまり支払い管理も楽になります。

利用をする場合は、おまとめローンを取り扱っている銀行、または消費者金融に申し込み、審査に通る必要がありますが、一般的なカードローンより審査は厳しくなります。

場合によっては、借入れ可能額が少なくなりすべての借入れを、まとめることができなくなる事もあります。また、おまとめローンでは利用開始後の追加の借り入れは基本的にはできません。

任意整理の特徴

債務整理は、「債権者(消費者金融や銀行等)と交渉をして、将来利息のカットや長期分割弁済などの和解を成立させ、支払いを楽にする手続き」の事で、手続きの内容によって、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類に分かれます。

そのなかの「任意整理」は、他の3つの債務整理より手続きは簡単になりますが、正しい金利での借入れ返済額を再計算した上で、「今後の利息を0円にする」ことを前提に借入れ元と交渉を行うため、借入金元本を減らすことはできず利息のカットのみとなります。

また、任意整理を行った記録が個人信用情報に事故情報として、最長5年間残されます。
事故情報が残っている間は新たな借入れができなくなります。

住宅ローン等の各種ローンやクレジットカードの審査なども通らなくなるので、日常生活に影響が出ることがあります。

自分の状況や返済能力を考えて選びましょう

おまとめローンは信用情報機関(通称ブラックリスト)に情報が登録されることはありませんが、任意整理を行うと登録がされ最長5年は記録されます。

ただ、返済が困難で完済の目途が立たないような状況の場合は、任意整理を視野に入れ、まずは専門家に相談するのも良いかもしれません。

ご自身の状況と照らし合わせ、よく考えて選択しましょう。

執筆日2023年4月18日
監修日2023年5月14日

執筆者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

監修者 阿部倉 弘子 (あべくら・ひろこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。

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