第 131 回
借金には良い借金・悪い借金がある?借金の「良し悪し」判断基準と見分け方
一般的に、「借金は悪いこと」とネガティブなイメージを持つ方が多いと思います。
しかし、「借金」といってもカードローンやキャッシングの他に、住宅ローンや自動車ローンといった多くの方が利用しているものもあり、一概にすべての借金が悪いとは限りません。
今回は、借金の「良し悪し」の判断基準と見分け方について解説します。
借金の良し悪しの判断基準
「よい借金」と判断できるのは、その借金を使って購入したものや体験したことが、後々その人の「財産」となる借金です。
一方、「悪い借金」とは、浪費やギャンブルなど手元に資産として残ることが少なく、最終的にただ返済をするためにする借金のことで、一時的な射幸心のため不必要なものや経験を得るものです。
良い借金の一例
下記に一例として挙げた借金は「生活のために必要」であり、「後々には資産になる」ため、良い借金と言えます。
- 住宅ローン
- 自動車ローン(高級車除く)
- 奨学金(教育ローン)
- 自己投資(スキルアップ)
住宅は非常に高価で、大半の人は住宅ローンを組みますが、返済し終わればその人の資産となります。
自動車も公共交通機関があまりない地域の住民にとっては必需品です。
教育ローンや自己投資は、自身の能力を高め収入増をもたらします。
つまり、これらの借金は、計画的に返済できる・資産になる・将来の自分や家族が利益を得られる借金です。
ただし、目的は良くても返済できなくなるような借金は、「良い借金」とは言えません。
悪い借金の一例
以下の借金は、悪い借金の一例です。
- 浪費(身の丈に合わない住居や服飾・宝飾品等)や娯楽による借入
- 使途がギャンブルの借入
- 借金を返済するためにする借入
浪費は身の丈に合わない生活を送ることで加速します。ギャンブルも生活に必要不可欠なものではありません。
また、借金を返済するためにする借金は支払い利息を増やすだけでなく、多重債務者になるキッカケにもなります。
自分の許容リスク以上の投資に対する借入も、成功率が低く失敗した時に挽回が難しいため、悪い借金と言えます。
借金でもさまざまな種類がある
最近は、お金を簡単に借りることのできる手段が増えてきました。そのため、返済計画をよく考えずに借入して返済が難しくなり、簡単に多重債務者になってしまう人も増えています。
借入を検討する際には、「これは良い借金か悪い借金か?」と一度考えてみましょう。
できれば、スキルを身に付けるため・資産を築くため・事業を行うため、といった前向きな借金をしたいものです。
執筆日2023年4月19日
監修日2023年5月14日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。