第 60 回
キャッシングの無利息サービスは本当にお得?利用時の注意点を解説
消費者金融や銀行カードローンでは「○○日間無利息」というサービスがあります。
無利息だと利用者は助かりますが、金融会社には何かいいことがあるのでしょうか?また、利用する際にどのような点に注意すればよいのでしょうか?
条件をよく読む
無利息サービスについてよくある記載では適用期間が「30日間」となっています。これを「1ヵ月」と読み違えると、無利息で借りられる期間が変わってしまいます。
また、適用期間の開始が「契約日」なのか「初回借入日」なのか、または「初回借入日の翌日」なのかと様々です。適用期間と開始日をよく確認しましょう。
「初回無利息」と記載されている場合に、一度解約して再度契約したらどうなるのでしょうか?
対象をはっきりと「初めて契約されるお客様」と記載しているところもありますし、「なんどでも無利息」と記載しているところもあります。
念のため、前もって問い合わせておくと今後のために安心です。
途中で返済日が来たらどうなる?
途中で返済日が来ると、無利息期間でも返済する必要があります。
ここで延滞すると翌日から利息が発生するので、無利息期間は終了となります。
返済日はどのように決められているかというと、代表的なものは「◯◯日ごと」と「毎月◯◯日」の2つです。
後者は口座振替での返済に多く、自由に設定できるところもあれば、あらかじめ決まっていたり、選択肢から選んだりするところもあります。
どうして無利息なの?
消費者金融は、契約者から利息を得ることで利益を出しています。
それなのになぜ無利息のサービスを提供しているのかというと、新規契約者の獲得が目的と考えられます。
CMなどをはじめとした広告で有名人を起用しているのと同様に、キャッシングへの抵抗感を下げ、気軽に利用してもらおうという販売促進活動の一貫でしょう。
返済額と返済期間をよく検討しよう
通常は初回契約者にそれほど高額な融資を行ないません。10万円程度の借入額を1年以内に返済するのであれば、どこも返済総額にそれほど差は出ないでしょう。
しかし、返済期間が長引いたり、最初から借入額が大きかったりする場合は、無利息期間があっても他の借入先と返済総額に大きな差が出る場合があります。
無利息期間ありのサービスにもご注意を
無利息サービスであっても、適用期間と返済日には注意する必要があります。
また「無利息なら利息がゼロなのだからお得」と思っても、借入額と返済期間から返済総額を比較して検討するようにしましょう。
執筆日2023年4月17日
監修日2023年5月13日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。