第 39 回
残クレで車を購入して家計にゆとりを!残価設定型ローンの仕組みを解説
車のCMや広告などで「残クレ」「残価設定型ローン」などという言葉を耳にしたことはありませんか?
「残価設定型ローン」とは、主に新車を購入するときに利用できる車のローンのことで、購入時にあらかじめ3~5年先の下取りを前提とし、その下取り価格を差し引いた額を返済する方式です。
販売店によっては中古車購入においても利用できる場合もあります。
それでは、残価設定型ローンの仕組みをみていきましょう。
残価設定型ローンでの新車購入
残高設定型ローンを組むにあたり、まず支払い終了時の車の下取り価格を決めます。
下取り価格の決め方
2つのパターンがあります。
1.残価保証タイプ
大きな事故や破損、最初に提示された条件などに従って問題が無ければ下取り価格を保証します。
2.差額タイプ
最終的に査定を行い、最初の査定との差額により下取り価格が決まります。
下取り価格決定後
下取り価格を差し引いてローンの設定を行い、月々の返済額を決めます。
車両価格200万円・下取り価格50万円の場合、「200万円-50万円=150万円」とその利子を返済していきます。
ここでの利子は、元金200万円にかかる利子で、差し引き後の150万円にかかるものではないのでご注意ください。
支払いが終了した時点でその車を下取りに出し、残価の清算をして契約終了となります。
残価を返済してそのまま乗り続けることや、再び新車を購入することもできます。
ただし残価をローンで返済する場合は、その残価にも再び利子がかかります。
残価設定型ローンのメリット
・毎月の返済額を抑えられます。
・残価保証タイプの場合は下取り価格が保証されます。
残価設定型ローンの一番大きなメリットは、月々の支払額を少なくできることです。
また、残価保証タイプでは将来的な下取り価格が保証されています。
車の下取り価格は相場によって大きく変動しますので、将来的な下取り価格が保証されていることは大きなメリットといえるでしょう。
残価設定型ローンのデメリット
・残価にも利子がかかります。
・走行距離の制限、汚れや傷などの制限、カスタマイズの制限などがあります。
・残価保証プランの場合は、相場が高騰したとしても最初に取り決めた保証価格にて下取りされます。
規定の制限を超えてしまうと下取り価格から差し引かれます。
過度な汚れや傷、純正品以外の改造などでは下取り拒否をされる場合もあります。
ただし汚れや傷に関しては、普通に売却する際にも査定額が下がりますので、残価設定型ローンだけのデメリットという訳ではありません。
ライフプランに合わせたローンを
残価設定型ローンは、月々の負担を減らしたい、3~5年単位で乗り換え・売却する予定がある人には向いているでしょう。
一方、将来的に同じ車を乗り続ける予定の人は、通常のカーローンを利用した方が有利になります。
残価設定型ローンでは残価にも利子がかかることから、乗り換える予定がない人にとっては通常のカーローンよりも支払い総額が増えることがあります。
また、走行距離や車の状態によっては下取り時に影響を受ける場合があります。
3年後、5年後の生活を想像しながら、現金購入・残価設定型ローン・通常のカーローンなど、あなたのライフプランに合わせて使い分けましょう。
執筆日2023年4月14日
監修日2023年4月29日
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。
大学在学時よりFPを志し、外資系損害保険会社、eラーニング専門企業に勤務。卒業後、税理士法人勤務を経て、外資系生命保険会社出身の専務とともにFP事務所を開業。2018年4月に法人化し、FPサテライト株式会社を設立、代表取締役に就任する。
現在は、相談業務、Webメディアの執筆、セミナー講師等、幅広く活動を行なっている。また、税理士法人勤務の経験から、中小企業向けの経理業務支援なども行っている。
金融商品を取り扱わず、お客様の立場に立った中立な相談、幅広い分野からの問題解決をモットーとしている。