第 137 回
ソーシャルレンディングとは?融資型クラウドファンディング投資の仕組みと注意点
近年、「ソーシャルレンディング」という資産運用の方法が注目を浴びています。高い利回りやインターネットで手軽に投資できることが魅力ですが、詐欺などの被害も少なくありません。
今回はソーシャルレンディング投資の注意点について解説します。
ソーシャルレンディングとは?
ソーシャルレンディングとは、お金を借りたい会社(借り手)とお金を運用したい人(貸し手)をマッチングするサービスです。
ソーシャルレンディングの事業運営会社は、ウェブサイト上で資産運用したい個人から小口のお金を集め、その資金を企業に融資します。
インターネットで資金を集める「クラウドファンディング」の一種とされ、「融資型(貸付型)クラウドファンディング」と呼ばれることもあります。
個人が直接会社に融資する場合、通常は貸金業の資格が必要になります。
しかし、ソーシャルレンディングは運営会社が資金を集めて会社に出資し、生じた利益を資金提供者に分配する「匿名組合」という仕組みを利用しているため、法律的には融資ではなく投資になります。
ソーシャルレンディング投資の人気の理由の一つが、利回りの高さと少額から投資できる点です。
ソーシャルレンディング投資の注意点
一方で、ソーシャルレンディング投資には以下のような注意点があります。
- 満期まで投資資金の引き出しができない
- 貸し倒れや返済遅延のリスクがある
- 投資家は匿名組合の営業に関する口出しができない
- 事業運営会社自体に問題があったり、詐欺まがいであったりする場合がある
ソーシャルレンディングの事業を行うためには金融庁に登録が必要です。
しかし、登録業者であっても不適切な運用などを行っていたとして、過去に金融庁が大手運営会社へ業務改善命令を出したこともあります。
まとめ
ソーシャルレンディングは、高い利回りや少ない金額で手軽に始めることができるのが魅力です。一方で、投資先ファンドの倒産等による貸し倒れリスクや、詐欺まがいの運営会社が存在するなど、事業運営会社自体に問題がある場合もあります。
安易に投資せずに、運営会社と投資先のファンドについてよく調べてから、余裕資金での投資を検討しましょう。
執筆日2023年3月31日
監修日2023年4月20日
大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。