第 191 回

貧困対策の一手、「マイクロファイナンス」とは?グラミン日本の挑戦

三上 諒子

貧困対策の一手、「マイクロファイナンス」とは?グラミン日本の挑戦

貧困には「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2つがあり、日本の貧困のほとんどは「相対的貧困」です。

厚生労働省「子どもの貧困への対応について」によると、2018年時点の日本では全世帯の約15%が相対的貧困状態にあり、特に1人親世帯の半数以上が貧困に苦しんでいます。

今回は、日本の貧困対策の一手としての「マイクロファイナンス」と、その代表格ともいえる「グラミン日本」について解説します。

マイクロファイナンスとは?

マイクロファイナンスとは「小規模金融」のことです。発展途上国などの貧しい人々に小口融資や貯蓄サービス等を提供し、彼らがその資金を事業の運営や自立のために役立てることで、貧困からの脱出を目指す金融サービスです。

日本では、公的支援および貸付と、一般的な融資事業との間を補完する非営利・民間の融資事業を指します。

マイクロファイナンスの代表「グラミン銀行」

1983年に、バングラディッシュでムハマド・ユヌス氏によって創設されたグラミン銀行は、生活費ではなく「自分で事業を始めるためのお金」を貸す点に特徴があります。

貧困から立ち直りたいと思っている人に、「魚を与えるのではなく“魚の釣り方”を教える」ことにより、一時しのぎではなく自立し、その生活を継続できるように支援しています。

なお、ムハマド・ユヌス氏はバングラディッシュの貧困軽減に大きく貢献した功績により、2006年にノーベル平和賞を贈られています。

日本の貧困対策に乗り出した「グラミン日本」

グラミン銀行の日本版である「グラミン日本」は、2018年に発足した日本初のマイクロファイナンス機関です。

働く意欲があるにもかかわらず、苦しい生活を余儀なくされているシングルマザーやワーキングプアといった人たちに対して、低金利・無担保で少額の融資を行っています。

「貧困のない、だれもが活き活きと生きられる社会を実現したい」という思いを形にすべく活動を続けています。

「グラミン日本」の融資の仕組みと対象者

グラミン銀行では、借り手が5人一組となって互助グループを作り、起業や就労の準備のための融資を受けます。

グラミン日本でも同様に、貧困ライン以下の生活困窮者で、「働く意欲と能力のある人」「互助グループ(5人一組)をつくれる人」を対象に互助グループを作り、融資を行っています。

初回の融資上限は20万円で、2回目以降は自分と互助グループの返済状況等を見ながら増額が可能です。融資を受けたメンバー間は励まし合いながらローンを返済し、自立を目指します。

グラミン日本のスタッフは、働く意欲はあっても今はお金がない人に融資と仕事の機会・就労支援を提供し、融資の後にも毎週1回のグループミーティングとフォローアップを行います。

まとめ

グラミン銀行の返済率は99%以上、融資先の97%が女性となっています。

グラミン日本のようなマイクロファイナンスを活用して、貧困から脱出し自立した生活を継続できる人が日本でも増えることを願っています。

出典2:グラミン日本設立記念パーティーに寄せられた、ムハマド・ユヌス博士(グラミン銀行創設者)のビデオメッセージ(2018年9月19日時点)

執筆日2023年4月20日
監修日2023年4月20日

執筆者 三上 諒子 (みかみ・りょうこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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