第 93 回
結婚費用が足りない時の「ブライダルローン」 種類や利用範囲について
人生の一大イベントとなる結婚式。その費用はなかなかの規模になります。
そんな時に、結婚式場から紹介される「ブライダルローン」という商品があります。
この記事では、金融機関で取り扱う商品を含めて、ブライダルローンについてご紹介いたします
結婚にかかる費用
2022年10月に発表された全国平均データでは、結婚式(挙式・披露宴・ウエディングパーティー)の費用総額は303.8万円、ご祝儀総額は180.4万円、親・親族からの援助は162.7万円が平均となっています。(出典:ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ)
仮に援助が見込めて、且つ頂いたご祝儀で費用を充当するとしても、事前に約150万が不足してしまう計算になります。
ブライダルローンの種類
費用が不足する場合、最初に検討するのが、結婚式場と提携している結婚費用専門のローンだと思います。結婚式場と日程や内容の話し合いの中で、費用の話も自然と出てくるからです。
しかし、ここで言われるままに決めるのではなく、ご自身で銀行や信販会社などのブライダル関連商品と比較検討することをお勧めします。
ブライダルローンは、一般的なローンに比べて金利が低く設定されていますが、審査が厳しい傾向にあります。
そのため、もしブライダルローンの審査に落ちてしまった場合は、多目的な使途に使えるフリーローンの利用を検討するのも選択肢の1つです。
また、上記以外でまとまったお金を借りる手段としては、消費者金融のキャッシングやカードローンを利用するという方法があります。
ただし、消費者金融での借り入れは金利が高く設定されています。100万円以上を消費者金融で借り入れた場合、金利は最高で15.0%です。金利15.0%で200万円を借り入れして5年で完済するには、毎月約4万8千円を返済して返済総額は286万円になります。
そこまでの月額返済額と総額を支払ってまでカードローンを利用するべきか、入念に返済計画を考えてから借り入れするようにしましょう。
ブライダルローンの使える範囲は?
ブライダルローンというと、その名の通り結婚式に使うことを考えますが実は使途が広く、事前の結納やブライダルエステ、その後の新婚旅行や引っ越し費用にも使える場合があります。
結婚式費用を節約するために
ブライダルローンは住宅ローンや自動車ローンと違って、ローンを完済した後に資産となるものが何も残りません。ご祝儀を繰上げ返済に当てるとしても、借入総額を縮小することは有効な節約手段です。
結婚式では「司会のマイクにお花をつけるか」「引き出物袋は自分で用意できるか」「アクセサリーや小物は通販で揃えられないか」等々、自分で可能な節約ポイントが多数あります。費用を抑える試算をしっかり行えば、ローンの総額が減らせるでしょう。
ブライダルローンは計画的な借り入れを
せっかくの結婚式ですから、こだわりの演出を行ったり、たくさんのゲストをお迎えしたり、盛大に豪華にしたい気持ちはあるでしょう。
ですが、ローンの返済のために、幸せなはずの新婚生活が苦しくなるのは避けたいものです。ローンを利用するときは、しっかり返済の目途を立てて、その後の生活に支障の出ないように計画的に借り入れをしましょう。
執筆日2023年3月19日
監修日2023年4月1日
滋賀県出身。大学卒業後の就職先で人事総務の仕事を担当。主に社会保険の手続きや給与計算を行っていたが、自身の知識不足を痛感し、FP資格を取得。
現在はさらなる知識向上のため、FP1級、CFP資格の取得を目指すとともに、「お金に苦労する人が少しでも減ってほしい」という思いを持って、FPとしての活動を行っている。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。