第 172 回
住宅ローンの返済が厳しいときに!「住宅ローン返済期間の延長」のメリットデメリット
生活状況の変化により、住宅ローンの毎月の返済が厳しいと悩んでいる方もいるのではないでしょうか?そのような時の対処法の一つとして「住宅ローン返済期間の延長」があります。
「住宅ローン返済期間の延長」には審査がありますが、基本的にどの金融機関でも対応可能です。
今回は、「住宅ローン返済期間の延長」ついて、そのメリット・デメリットを解説していきます。
住宅ローンの返済期間を延長させるメリットとは?
返済期間を延長させる最大のメリットは、「毎月の返済額の軽減」です。
住宅金融支援機構が行ったシミュレーションによると、10年間の返済期間延長で以下のように返済額が減少します。
条件:借入額2,000万円、金利3.00%、当初35年返済で借入れをし返済開始4年経過時点で10年間延長を実施
返済期間35年の場合:76,970円
返済期間45年に延長した場合:65,840円
出典:フラット35公式サイト内「返済方法変更(返済期間の延長)を既にご利用いただいたお客さま」より抜粋
https://www.flat35.com/user/henkou/hensai_goriyou.html
住宅ローンの毎月の返済額は月収の3割が目安となります。3割を超えてしまうと家計負担が厳しくなりますので、月々の返済額を3割以下に抑えておくことは非常に大切です。
住宅ローンの返済期間を延長することは家計にとって大きな影響力を持ちます。
住宅ローンの返済期間を延長させるデメリットとは?
返済期間を延長させる最大のデメリットは、「利息の支払額が多くなる」ことです。
返済期間を長引かせれば、その期間分だけ支払う利息は増加します。団体信用生命保険に加入している場合は、返済期間を延長することで、保険の支払い総額も増加してしまいます。
毎月の返済額を下げ過ぎた結果、利息や保険料の支払いが大部分を占めることにならないよう、注意が必要です。
また、退職後まで住宅ローン返済を延長する場合は、収入の減少により返済が遅れてしまうリスクがあります。
退職後のライフプランをしっかり考えたうえで、住宅ローン返済期間の延長を検討しましょう。
住宅ローンの返済期間を延長させる条件とは?
住宅ローン返済期間の延長には「審査」があります。
金融機関により条件は異なりますが、基本的に一時的な支出増加や収入減により現在の返済額では返済が厳しいが、返済額を抑えることで完済できる可能性が高いと判断された場合、返済期間の延長が認められる可能性があります。
しかし、審査によって返済期間延長を行った方が今後の返済についてリスクが高くなると判断された場合は、住宅ローン返済期間の延長は認められません。
住宅ローン返済期間の延長は返済計画を立ててから利用しよう
生活状況の様々な変化により、予定していた住宅ローンの返済計画を変更したい場合は、まずは住宅ローンの借り換えを検討しましょう。それでもまだ厳しければ、住宅ローン返済期間の延長を検討するとよいでしょう。
執筆日2023年3月26日
監修日2023年4月11日
滋賀県出身。大学卒業後の就職先で人事総務の仕事を担当。主に社会保険の手続きや給与計算を行っていたが、自身の知識不足を痛感し、FP資格を取得。
現在はさらなる知識向上のため、FP1級、CFP資格の取得を目指すとともに、「お金に苦労する人が少しでも減ってほしい」という思いを持って、FPとしての活動を行っている。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。