第 67 回
外国人でもローンやキャッシングは利用できる?必要な条件や注意点を解説
出入国在留管理庁の統計によると、在留外国人は令和4年6月末時点で約296万人に達し、そのうち約40%が永住権を有しています。
日本の金融機関では、外国人でもローンやキャッシングは利用できるのでしょうか?
キャッシングやカードローン
消費者金融では「在留カード」または「特別永住者証明書」を本人確認書類として認めているところが多くあります。中長期以上の滞在者で、在留カードが交付されている外国人ならば申し込みが可能なところが多いようです。
ただし、中には条件を「永住権をお持ちの方」としているところがあります。
一方、大手銀行のカードローンでは「永住権がないと申し込み不可」というものが大多数です。地方銀行や信用金庫では、外国人の申し込みに関して記載がないところが多く、実際に問い合わせてみるしかないでしょう。
在留カードがなく、旅行や短期滞在で日本に来ている場合は対象外となります。
母国に本店がある金融機関が日本に支店を持っている場合は、まずそちらに相談する方がスムーズに申し込みができるかもしれません。
住宅ローンや自動車ローン
借入額が大きな「住宅ローン」や「自動車ローン」の申し込みは、さらに条件が厳しくなります。
永住権がなければ原則申し込みはできないところがほとんどです。
つまり、確実に日本に定住し、国外に借り逃げはしないという信用力が必要です。
これは申し込みの際に窓口で「日本人の配偶者がいる」「子どもを日本の学校に通わせている」など、この先も日本に定住する具体的な意思を示すことで、信用力を補完できる可能性があります。
永住権を持っていない外国人は、保証会社の保証をつけることができないので、日本国籍を持つ人に保証人になってもらう必要があります。
例えば、日本国籍を持つ配偶者を保証人にするのも1つの手段です。
ローン申し込みに必要な条件
申し込み条件として安定した収入が必要なのは、日本人と同様です。
その他で外国人に必要な条件は「日本に住所があること」です。友人の家を転々としていたりホテルやシェアハウスで生活している人は、自分名義の現住所がないとみなされてしまうので注意が必要です。
さらに前提として、日本語が理解できることが条件になります。キャッシングやローンの申し込み書類や利用規約を理解できる程度の日本語能力が必須です。
注意点
在籍確認では、申し込みの氏名と一致する必要があります。
普段愛称や略称で呼ばれている場合は、事情を話して正確な氏名を伝えておくとよいでしょう。
少額の現金であれば、母国から持ってきたクレジットカードのキャッシング機能を使うこともあるかもしれません。その際は不正利用防止のためにロックがかからないよう、カード会社に日本で利用する旨を伝えておくことをお勧めします。
ローンやキャッシングの計画的な利用
外国人にとって、日本での生活は出費が多いこともあるでしょう。外国人の方もローンやキャッシングを利用する場合、ご利用は計画的に無理のない返済計画を第一にしましょう。
執筆日2023年4月16日
監修日2023年4月20日
大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。