第 113 回
クレジットカードの延滞は信用情報に直結する?
クレジットカードの支払いが遅延した場合、信用情報に影響を与えてしまうことがあります。クレジットカードの利用履歴は信用情報機関に記録されており、この信用情報機関に記録されている情報は、ローン等の審査を行うときに重要視されるものです。
つまり、クレジットカードの遅延によりカード審査やローン審査が通らなくなることがあるかもしれません。では、どのくらいの期間支払いが遅延してしまうと信用情報に影響を及ぼすのでしょうか。
また、支払いが遅延してしまったときどのような対処をすれば信用情報を傷つけないのでしょうか。
延滞するとすぐに信用情報機関に金融事故として登録される?
支払いが1日でも遅れると原則、信用情報に傷がつきます。わずか1日の延滞であってもカード会社は信用情報に延滞があった旨を記録することが責務となっているからです。
しかし、現実的なことを言えば、数日程度の延滞はスルーされることが多いです。これは数日の延滞に関して毎回信用情報に記録しているとカード会社の事務的な作業が膨大となりカード会社にとっては特にメリットもない作業であるからです。
もちろん、数日程度の延滞がスルーされる可能性が高いといっても延滞を繰り返すような場合は、悪質だと判断され信用情報に記録される可能性は高まります。
また、延滞日数が61日を過ぎるまたは延滞月数が3ヵ月目に突入した場合、信用情報は金融事故を起こしているという意味で「異動」と記録されます。いわゆるブラックリスト入りするということです。
「異動」による影響
信用情報に「異動」と記録されてしまうと、クレジットカードをはじめ、住宅ローンや車のローンなどの審査に通ることが困難になります。また、場合によってはクレジットカードの更新もできなくなり、強制解約となってしまうこともあります。
さらに、「異動」の情報は5年間残るため、一度この情報が記録されると新規のカードやローンを申し込むことも難しくなります。
延滞してしまった時の対処法
支払日の翌日以降に入金ができていないことに気づいた場合、クレジットカード会社のコールセンターにすぐ連絡を入れましょう。コールセンターの担当者から再引き落とし日等の指示があるのでその日までに入金を済ませましょう。
支払いの遅延に気づいたら、カード会社から督促の連絡が入る前に、すぐにカード会社へ連絡することが重要です。
借り入れ後は、礼儀を持ち返済を行うべき
クレジットカードの支払いを遅延するとすぐに信用情報に「異動」と記録されることはありません。しかし、いつまでも支払いをせずに先延ばしにしたり、延滞を繰り返すと信用情報にも傷がつき、各種ローン契約やスマートフォンの分割購入等もほぼ100%できなくなります。
また、既存のクレジットカードやカードローンも利用停止や最悪の場合強制解約となります。そうならないように支払期日はカレンダーに記入したり、入金日をあらかじめ決めておく等、支払いの遅延をしないようにしましょう。
クレジットカードを利用する際に最も重要なことは、必ず自分が支払える金額内で利用することです。支払期日を忘れて延滞してしまった場合は、すぐに支払うことで「異動」を回避できますが、お金の準備ができなくて支払いが延滞してしまうのはとても危険です。クレジットカードはとても便利ですが使い方に気をつけて利用しましょう。
執筆日2023年4月19日
監修日2023年5月14日
大学卒業後、広告代理店に営業事務として就職。妊娠を機に退職。専業主婦となり、家計管理を任される。しかし、子供2人分の教育費、住宅費、老後資金とお金の不安は増えるばかり。そこでお金について勉強するため2級FP技能士を取得。現在は、子育てをしながらFPとして活動中。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。