第 95 回
節約効果抜群!ローン繰上げ返済のメリットを知っておこう
支払い期間を短くして支払利息を減らすために、カードローンでは「繰上げ返済がオススメ」と耳にしたことがあるでしょう。
最終的に完済できれば問題ないのでは?という方も、繰上げ返済のメリットをぜひ知っておきましょう。
繰上げ返済の仕組み
「繰上げ返済」とは、毎月の返済とは別に、余裕ができた時などに希望額を追加で返済する方法です。口座振込、窓口、ATMなどで行いますが、事前に電話連絡が必要な金融機関もあります。
「繰上げ返済」によって元金が減るので、返済期間が短縮でき、結果として返済総額を減らすことができます。
また、繰上げ返済は早いほど効果があるので、完済間近に行ってもあまりメリットはありません。
どのくらい得になるのか
年利18%で10万円のカードローンを契約したと仮定します。
元利定額リボルビング払いで毎月2,000円を返済すると、返済期間は7〜8年で返済総額は約18万円になります。
では、借り入れから半年後に繰上げ返済を行うことにしましょう。
毎月2,000円の返済で半年後に10,000円を繰上げ返済すると、返済期間が6〜7年で返済総額が約16万になります。
※実際には毎月の返済額をもっと多く指定する必要があります
繰上げ返済を行うことで、上記の場合、約2万円の利息を減らすことができます。
少しずつ繰上げ返済
まとめて行うだけが繰上げ返済ではありません。毎月の返済額を少しだけ上げることも有効です。
例えば、上記のシミュレーションと同じ条件として、年利18%で10万円のカードローンを契約したとします。
毎月3,000円を返済すると、返済期間は4年で返済総額は約14万円になります。
月々の返済額を1,000円上げるだけで、返済期間と利息が半分も節約できます。
注意する点
繰上げ返済のメリットが大きいといっても、余剰資金がゼロになってしまうと急な出費に対応できなくなります。毎月の返済が遅れて、信用情報に傷がつくようなリスクは回避しましょう。
また、住宅ローンでは短期間で返済した結果、住宅ローン控除を受けられなくなることがあります。その他のローンでも繰上げ返済によって、思わぬ資金不足に陥る可能性があります。
繰上げ返済を行う前に
ローンを組むということは、既に資金が不足している状況です。その上で無理のない返済計画を組んでいることと思います。
繰上げ返済も無理のない範囲で、メリットとリスクを比較して行うようにしましょう。
執筆日2023年4月16日
監修日2023年4月20日
大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。