第 132 回
スマホ料金、クレカ、自動車ローンなど…未成年のうちに知っておきたい金融知識
2022年4月1日から民法の一部を改正する法律が施行され、成年年齢が18歳に引き下げられました。
成年年齢の引き下げにより、18歳以上の人は親の同意を得ずに様々な契約をする事ができるようになっています。
その一方で、正しい金融知識がないことで安易に不利な契約をしてしまう、消費者金融の被害に遭ってしまう可能性も高くなります。
今回は、お金に関連した不幸な出来事に巻き込まれないために、未成年者が成人を迎える前に知っておきたい金融知識について解説します。
18歳で何ができるようになる?
成年年齢の引き下げによって、18歳以上の人は親の同意を得ずに様々な契約を結ぶことができるようになりました。
また、成人後に契約したものについては、自身に不利な内容であっても基本的に取消ができません。
例)
- 携帯電話を購入する
- 一人暮らしのためのアパートを借りる
- クレジットカードを作成する
- ローンを組んで自動車を購入する
成人前に知っておきたい「金融知識」
契約行為の際に、自分が不利益を被らないため、成人前に知っておくべき金融知識をいくつか挙げます。
携帯電話端末の料金延滞や割賦払い
携帯料金を滞納した場合、携帯会社によって異なりますが2~3ヶ月で強制解約となります。
また、携帯電話会社が情報を共有している電気通信事業者協会において、料金不払いの顧客情報が強制解約後も5年は残るとされています。
なお、通話料と一緒に携帯電話の端末料金を分割払いしている場合は、クレジットカードで商品を分割払いしているのと同じ扱いになります。そのため月々の支払いを滞納して強制解約されてしまうと、端末料金の分割払いを滞納したとして信用情報機関(通称ブラックリスト)に、事故情報が登録されますので注意しましょう。
クレジットカードのリボ払い
リボ払いとは、クレジットカードの利用金額や利用件数に関わらず、あらかじめ設定した一定の金額を毎月支払う方式です。
支払い金額は基本的に毎月決められた分だけで済みますが、利用した金額を返済し終わる前に繰り返し利用していくと、支払い残高が蓄積されどんどん増えていくことになります。
支払利息の実質年率も高いので、基本的には利用を控え分割払いなどを利用しましょう。
自動車ローン
自動車ローンも条件を比較すると、支払い総額が大きく変わります。金利以外の条件として、新車か中古車か、買い替えの有無などがあります。借入先も、金融機関か信販会社かによって金利が異なります。
また、自動車の販売店に進められるローンが最も有利な条件とも限りません。借りる場合にはきちんと比較、検討してから借入先を決めましょう。
正しい金融知識は、自分自身を守る「お守り」
「金融知識」というと非常に難しい内容と思われがちですが、実際には「ローンや利用する商品の仕組みを理解すること」、「同じような商品やローンは必ず比較すること」、「支払いはきちんとすること」など、どれも基本的な事柄です。
正しい金融知識は自分の身を守ることができますので、成人前にきちんと身に付けましょう。
執筆日2023年3月31日
監修日2023年4月20日
大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。