第 124 回

教育ローンの「親子リレー返済」で教育費の負担を軽減!メリット・デメリットを解説

保泉 美砂子

教育ローンの「親子リレー返済」で教育費の負担を軽減!メリット・デメリットを解説

子育て世代が最も気にかかることと言えば、やはり教育資金ですよね。
年齢が上がるにつれて増える教育費に、教育ローンを検討される親御さんも多いのではないでしょうか。

教育ローンを検討する際、誰が返済していくかは大きな問題になります。
原則は親が返済していきますが、子どもが社会人になったら子どもが返済する「親子リレー返済」という返済方法があります。住宅ローンではよく耳にする返済方法ですが、教育ローンでも利用できる場合があります。

今回は、教育ローンの「親子リレー返済」について理解しておくべきポイントや、メリット・デメリットについて解説していきます。

教育ローンの概要

教育ローンは、子どもの教育関係に限定して使用する、教育資金のためのローンです。

教育ローンの返済方法

基本的に教育ローンは、進学する子どもの親が融資を受け、親が返済していくものですが、一部の民間の教育ローンは「親子リレー返済」が選択可能なタイプもあります。
「親子リレー返済」とは、親が契約した教育ローンの返済を、子どもが卒業・就職した時点で子どもへ引き継ぐという方法です。

教育ローンの「親子リレー返済」における返済方法

教育ローンの親子リレー返済には、2種類の返済方法があります。

(1)元利均等返済方式

子どもの在学期間中は親が元金と利息の両方を返済し、卒業後は子どもが返済していきます。
親にとっては、子どもの在学期間中の負担は増えますが、卒業後に子どもが返済する金額は減らすことができるので、子どもの負担は軽くなるうえトータルでの返済額を抑えることができます。

(2)元金据置返済方式

子どもの在学期間中は利息のみを親が返済します。卒業後は、子どもが元金と利息を合わせた部分を返済します。
親にとっては、子どもの在学期間中の負担は少なくて済みますが、卒業後の子どもの負担は重くなります。
トータルでの返済金額は、元利均等返済方式よりも高額になる可能性もあります。

教育ローンの「親子リレー返済」メリットとデメリット

ここからは、教育ローンで親子リレー返済をするときのメリットとデメリットを解説していきます。

教育ローンを「親子リレー返済」するメリット

教育ローンを親子リレー返済する最大のメリットは、教育資金に対して親の金銭的な負担が減るということです。
また、子どもにとっても親子リレー返済にすることで、融資の金額が増え進学先の選択肢を広げることにもなります。

教育ローンを「親子リレー返済」するデメリット

親子リレー返済では、卒業するタイミングで子ども自身が親子リレー返済の審査に通らなければなりません。
教育ローンの契約時には、子どもが教育ローンの債務者としての信用力がないと判断されるため、将来子どもに債務を引き継ぐことが確約されません。

もし、子どもが審査に通らなかった場合は、親が返済を続けていく必要があります。
そうなった場合、親のライフプラン・マネープランが崩れてしまう可能性があります。

また、親子リレー返済ができる教育ローンは数が少なく、比較・検討する余地がないこともデメリットといえます。

メリット・デメリットを理解した上で利用しよう

親から子どもへの親子リレー返済が適用されれば、親の負担は確実に軽くなります。経済的負担はもちろん、心理的負担も軽減されることでしょう。最近は晩婚化の影響もあり、教育費の負担時期と親自身の老後資金を貯めるべき時期が重なることが多くなっているため、リレー返済の利用は大きなメリットと言えるでしょう。

その反面、卒業後に返済していくのは子ども自身であり、就職してすぐに借金を背負うことになります。その負担も考慮する必要があります。
将来子どもが無理なく返済を続けていけるように、返済計画については親子でしっかりと話し合い、奨学金などほかの選択肢も含めて考えることが大切です。

執筆日2023年3月25日
監修日2023年4月11日

執筆者 保泉 美砂子 (ほずみ・みさこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。

監修者 阿部倉 弘子 (あべくら・ひろこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。

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