第 145 回

自己破産とは?メリット・デメリットを解説

三上 諒子

自己破産とは?メリット・デメリットを解説

借金返済の可能性がほとんどない場合に行われる債務整理の手段が「自己破産」です。借金などの債務が免除されますが、財産もほとんどない状態になります。裁判所の司法統計によると、ここ数年の自己破産件数は7万件前後となっています。

自己破産とは

裁判所に自己破産の申し立てを行うと、「破産手続き」と「免責手続き」に分かれて進んでいきます。破産申立人に資産がある場合には破産管財人が選任され、財産を処分して借金返済に充当する目処を算出します。その後に免責事項の判断が行われます。

破産申立人に処分できる財産がほとんどない場合には、破産管財人による作業を行わずに免責事項の判断が開始されます。

免責が許可されると借金の返済義務を免れることができます。ただし、税金や国民健康保険料は納付する義務があります。

メリット

免責によって、借金の返済義務を免れることが自己破産の大きなメリットでしょう。原則として浪費やギャンブルなどが理由で借金を作った場合、「免責不許可事由」として免責が受けられないとされています。

しかし、あくまで原則であって絶対ではないため、裁判所の裁量によって免責が許可される可能性もあります。

自己破産の手続きが開始されると、債権者による強制執行が禁止されます。そのため、給料等が差し押さえられる心配がなくなり、生活を立て直すのがある程度は容易になるでしょう。

デメリット

自己破産した場合には財産の処分が必要です。しかし、生活に必要な最低限の財産は残すことができます。自動車であればローンが払い終わっていて、査定額が20万円以下の場合は処分対象外となります。

自己破産した情報は官報に掲載されるため、信用情報機関には金融事故として登録されます。そのため、5年から10年間はブラック扱いになり、新規のクレジット契約が極めて困難になります。

特徴と注意点

自己破産について調べると、多くは弁護士や司法書士が解説しているため、手続きは弁護士や司法書士に依頼するのが望ましいと推奨されていることが多いです。しかし、時間はかかりますが、費用を節約するために自分で行うこともできます。

お金や生命を扱う職業に就いている人であれば、自己破産の手続きが開始されると資格を利用することが制限される場合があります。これを「資格制限」と呼び、弁護士・公認会計士・税理士・警備員などが該当します。

適切な債務整理の選択を

自己破産のデメリットとして大きいのは、法的なデメリットよりも「世間の目」や「世間体が悪い」という点ではないでしょうか。

気軽な自己破産を勧めるわけではありませんが、自己破産で人生を再出発することも最後の手段としては有効な場合もあるかもしれません。

執筆日2023年4月20日
監修日2023年5月8日

執筆者 三上 諒子 (みかみ・りょうこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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