第 14 回
お金を借りる前に身に着けておきたい、お金が貯まる仕組みと習慣
手軽にお金が借りられるカードローンや、クレジットカードのキャッシング。
少しの手間で借りられることから、ついつい利用してしまう人もいるでしょう。
しかし、お金を借りる前に、なぜお金を借りる必要が出てきたのか?その原因をきちんと理解しなければ、借金を繰り返すことにもなりかねません。
ここでは、お金を借りずに済むように自分のお金の使い方や家計の実態を把握し、そのうえでお金が貯まる仕組みと習慣を作る方法について考えてみましょう。
お金の使い方や家計の実態を把握してみましょう
まずは、自分の家計の収入と支出をしっかり把握することが大切です。お金を貯めたいと思ってはいても、月末になると残りわずか……。自分が何にどのくらいお金を使っているのか理解している人は少ないかもしれません。
家計の現状を把握するには、以下の3つを行ってみましょう。
(1)1ヶ月の自分の支出(何にいくら使っているか)を把握する。
自分の1ヶ月の支出金額と用途を書き出してみましょう。記入の方法は、家計簿アプリやエクセル、初めはノートにメモ書きでも構いません。何にいくら使っているか確認してみましょう。慣れるまではレシートを保存しておいて、そこに細かい品名を書いておくのもよいかもしれません。続けることが大事なので、無理のない方法で行いましょう。
(2)収入金額の確認をする。
給与明細などを確認し、手取りの金額を把握します。副業などがある場合は、合計しておきましょう。
(3)収入から集計した支出を引いて、マイナスになっていないか確認する。
毎月の収入が定額でない場合は、直近の3ヵ月の平均収入で計算します。
いかがですか?収入の範囲内で支出は収まっていましたか?月によって支出の増減が大きい場合は、数ヵ月続けてみるとより実際に近い数字が把握できるでしょう。
自分のお金の使い方の癖や何にどのくらい使っているかを再認識して、次の「貯める」という行動に活かしましょう。
お金が貯まる仕組みと習慣を作ってみましょう
お金を貯めるには、仕組み作りが大切です。毎月の残金を貯蓄するのではなく、給与が入ってきた時点で先に貯蓄する分を別の口座に移す「先取り貯蓄」を実践してみましょう。先に別の口座に移してしまえば、貯蓄分まで使い過ぎてしまうことはなくなります。
「毎月別口座に振り込むのが面倒」という場合は、銀行によっては自動で一定額のお金を毎月振替してくれるサービスを提供していますので、それを活用すると手間も省けます。ただし有料サービスの場合もあるので、確認しましょう。一度お金の流れを作ってしまえば、あとは手元のお金でやりくりをすれば大丈夫。まずは、仕組み作りが大切です。
「貯める」仕組みを作ると共に、家計の見直しを行いましょう。
特に固定費の見直しは、一度行えば毎月支出金額が減るので大きな効果が得られます。固定費とは、生命保険やスマホの料金プラン、定期購入品やサブスクの利用料金などです。これらは、入りっぱなしにするのではなく見直しをすることも必要です。また住宅ローンがある場合は、借り換えや繰り上げ返済なども効果があります。
また、お金を使う前に「これは自分にとって本当に必要な物(またはサービス)かな?」と考える、購入に迷ったら一度家に戻って冷静になってみる、という習慣を身につけると良いでしょう。
「貯める」習慣が、自分を変える
これまでは何となくお金を使い、足りなくなればキャッシングすればいいや、と考えていた人も「貯める」習慣が身につけば、お金を借りる必要はなくなるかもしれません。
収入と支出を把握することでムダを解消し、先取り貯蓄を習慣にすることで「借りる」から「貯める」へと前進できそうですね。まずは面倒がらずにやってみることです。
お金を借りる前に少し考えてみましょう。そうすれば「貯める」自分に変われるかもしれません。
執筆日2023年3月19日
監修日2023年3月23日
長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。