第 21 回
学生ローンとは?消費者金融との違いやメリット・デメリット
学生生活に必要な資金を借りる場合、親が準備する教育ローンか奨学金を利用する方が大半だと思います。しかし学生にも利用可能な「学生ローン」という民間の貸金業者が存在します。
学生ローンは消費者金融とは何が違うのでしょうか?
「学生ローン」業者の営業範囲
まず「学生ローン」はどこで営業しているのでしょうか?
かつては予備校の多い御茶ノ水や代々木など都内各地に点在していましたが、貸金業法の規制で淘汰され現在は高田馬場に多く残っています。
また、古くから営業し歴史のある会社が多いのも特徴です。それだけ多くの学生に利用されてきたということかもしれません。
利用できるのは?
学生ローンの対象は「高卒以上の学生」です。
予備校生、専門学校生、短大生、大学生、大学院生などが対象です。また「安定した収入のある方」という条件があることも覚えておきましょう。
成人年齢が18歳に引き下げられたことにより、18歳でも借入れができる業者が増えましたが、高校生は利用することはできません。
消費者金融との違い
学生ローンも消費者金融も大まかなしくみは同じです。
以下、異なる点を挙げていきます。
申し込み方法
身分証明書と学生証が必要です。20歳以下の場合は、収入証明を求められる場合もあります。
申し込みは直接来店か電話が多く、インターネットでの申し込みは取り扱いがない業者もあります。審査に通れば融資となりますが、銀行振込か直接来店での受け取りになります。
返済方法
多くの学生ローンで採用されているのが「元金自由返済方式」です。
これは毎月利息さえ払えば、返済額を自由に決められる方式です。在学中は利息だけを返済して、就職してから元金を返していくことも可能です。
ただし、利息だけを返済するということは、元金は減らないということです。そのことは忘れないようにしましょう。
返済方法は直接来店か銀行振込が中心です。ほとんどが中小企業なので専用ATMを持つ業者は一部です。
金利と限度額
学生ローン業者も貸金業法が適用されるので、上限金利は16.8〜18%です。消費者金融に比べると少し低めに設定されています。
限度額は、50万円までというところが多くなっています。
18歳以上で借入れが可能になったことを踏まえて、20歳以下の学生への融資については限度額を低めに設定している業者もあります。
学生ローンのメリットとデメリット
学生ローン特有のメリットとデメリットを整理します。
メリット
- 未成年でも利用できる業者がある
- アルバイト先などに対して、在籍確認がない
- 消費者金融より少し金利が低い
デメリット
- 店舗数が少ない
- 残高照会が面倒
- 申し込みと返済の手段が少ない
利息さえ返済すればよいので、負担が少ないのはメリットと考えられそうですが、元金が減らないため返済期間が長くなり、支払総額が増えるというデメリットもあります。
借入れ前には返済計画を
学生であってもお金が必要な機会はあるでしょうから、学生ローンの存在を知っておくことはマイナスではありません。
ただし、利用するのであれば計画的に返済する必要があるのは消費者金融と同様です。
借入れをする前には、返済シミュレーションなどを利用して返済計画を立てることも忘れずに行いましょう。
執筆日2023年3月29日
監修日2023年4月1日
長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。