第 32 回

カードローンはなぜ高金利なの?2つの理由を解説

有明 美希子

カードローンはなぜ高金利なの?2つの理由を解説

お金を借りる手段は公的機関から銀行ローンなど様々ありますが、特に金利が高いことで知られているのが消費者金融のキャッシングローンです。

金利とは?

金利についてイメージを簡単に説明をすると、お金を借りた機関に支払うレンタル料のようなものです。
例えば1万円のお金を借り入れたとき、返すお金は1万円だけではなく、貸してもらったレンタル料として金利も支払わなければなりません。

銀行カードローンが上限金利14%程度の商品が多いのに対し、消費者金融では上限金利18%程度が平均です。
このパーセンテージが高いほど、お金を借りるレンタル料が高くなる、ということになります。

消費者金融で表示されている金利は、「実質年率」という表記をされています。
※年率・・・もとのお金に対する1年間の金利の割合。借りた金額に年率を掛けて算出します。
例)1万円を借りた時の年率10%⇒1万円×0.10(10%)=1,000円

「実質」とは、元金と利息だけではなく、手数料や保証料等も利息に含めることを指します。実質年率により、元金以外でローン会社に支払う全額を計算することができます。

消費者金融が高金利なのはなぜ?

では、消費者金融はなぜこのような高金利なのでしょうか?

理由1:貸すお金の集め方(資金の調達方法)の違い

銀行カードローンの場合は、その銀行自体が個人・企業の利用者からお金を預かっているため、そのお金をもとにカードローン利用者にお金を貸し出し、利益を得ます。

しかし、消費者金融の場合は利用者に貸し出すお金を一から集めなければなりません。つまり、銀行から貸してもらう(調達する)必要があり、そこで金利が発生します。

1.銀行⇒消費者金融業者へお金の貸し出し
2.消費者金融業者⇒利用者のお金を貸し出し
3.利用者⇒消費者金融業者へお金の返済が完了
4.消費者金融業者⇒銀行へお金の返済

このような流れとなるため、金利を高くしておくことは、消費者金融業者の利益を確保するために必要なのです。

理由2:お金が返済されないリスクが高い

消費者金融でお金を借りるとき、ほとんどが保証人や担保(お金を返せなかったときに代わりとして補うもの)は不要です。そのため、貸したお金が返ってこないリスクが高くなります。

もし利用者が借りたお金の返済に困った時、法律により債務整理(返済金額を減らしたりゼロにすること)の手段をとることができるので、業者側としては不利な立場となるわけです。
貸し倒れとならないよう、業者を守るために高めの金利が設定されているのです。

高金利の理由を理解して、賢く付き合おう

今回は、消費者金融が高金利の理由を解説しました。消費者金融は銀行カードローンに比べると審査は緩いと言われており、無利息期間が設定されている商品もあるなど、借入れる方にとって助かる条件の場合もあります。。

利用する際には、高金利が設定されている理由を理解し、実質年率をよく確認することが大事です。賢くキャッシングと付き合っていきましょう。

執筆日2023年4月13日
監修日2023年4月20日

執筆者 有明 美希子 (ありあけ・みきこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

秋田県出身。大学卒業後はCAとして国内線・国際線に乗務。その後、J-REITの運用会社、外資系不動産会社にてバックオフィス職に従事。
フルタイムワーキングマザーとして奮闘するも、体調を崩し退職。
その際、資産管理やお金に関する各種制度に詳しくなる必要を感じ、FPを取得。
3児の母として、子どもには楽しんで働く親の背中を見せたいと、積極的に活動している。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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