第 86 回
デンタルローンとは?子どもの歯列矯正にも使えるの?
近年、子どもの歯並びや噛み合わせの矯正を検討される親御さんが多くなっています。
歯列矯正は基本的に自由診療治療となり、歯科医院によって治療法も異なります。費用は、数万円~100万円を超える場合もあり、かなりの幅があります。
特に、子どもの歯列矯正は2段階で行われることもあり、その段階ごとに金額がかかることがあります。
親にとっていちばん頭を悩ませるこの高額な費用の負担を軽減するために、「デンタルローン」を使う人も増えています。
今回は、この「デンタルローン」について概要を確認していきましょう。
デンタルローンについて
デンタルローンは、治療費の全額が自己負担となる歯科治療(インプラント・矯正歯科治療・審美歯科治療など)や、子どもの矯正歯科治療が対象となる目的別ローンです。
申し込み方法
金融機関に直接申し込むほか、歯科医院の受付窓口で申し込むことができます。
銀行のカードローンで組むことも可能です。
高校生を除く、原則18歳以上の安定した収入のある人が申し込みできることが一般的です。しかし、主婦・学生・年金受給者などの場合は連帯保証人が必要となる事があります。
メリット
(1)治療内容に合わせて借入額が決められる
(2)分割回数が多く余裕を持って返済できる
(3)医療費控除が受けられる
デメリット
(1)連帯保証人が必要となる場合がある
(2)金利手数料がかかる
デンタルローンは審査が厳しい
ローンを組む場合、貸金業法により年収の1/3までしか借入はできない「総量規制」という制限があるため、現在の収入や他社からの借入状況などが確認されます。
デンタルローンは「高額療養費」とみなされ、この制限から除外されますが、支払い能力を超えた融資はできません。そのため、支払い能力を見極めるために金融機関の審査はより厳しくなります。
審査を通過したとしても、審査結果が出るまでに日数がかかったり、希望の融資金額に満たない場合もあります。
デンタルローンも選択肢のひとつに
子どもの歯列矯正は高額な費用がかかるだけでなく、長い通院や痛みなどが子供のストレスになることもあり、親にとっても負担が大きい治療となります。
費用をまかなうための持ち合わせがない場合には、デンタルローンという選択肢もあります。子どもの成長時期も考慮しながら、治療が必要なタイミングで費用に困っている場合には、メリット・デメリットをよく理解した上で検討しましょう。
執筆日2023年4月19日
監修日2023年4月20日
秋田県出身。大学卒業後はCAとして国内線・国際線に乗務。その後、J-REITの運用会社、外資系不動産会社にてバックオフィス職に従事。
フルタイムワーキングマザーとして奮闘するも、体調を崩し退職。
その際、資産管理やお金に関する各種制度に詳しくなる必要を感じ、FPを取得。
3児の母として、子どもには楽しんで働く親の背中を見せたいと、積極的に活動している。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。