第 174 回

住宅ローン審査をAIで!人工知能による審査のメリット・デメリット

有明 美希子

住宅ローン審査をAIで!人工知能による審査のメリット・デメリット

近年、活用が進んでいるAI技術。
住宅ローンの分野でも、審査の速度や精度アップを目的としたAI技術の活用が進んでいます。ここ数年で、いくつもの金融機関が審査にAIを導入することを公式に発表もしています。

住宅ローン審査にAI技術が導入されることで、従来の審査とはどういった違いがでてくるのでしょうか。住宅ローンを申し込む立場としても、対応すべきことに変化があるのでしょうか。
そのような点も踏まえながら、今回は「AI技術による住宅ローン審査」のメリット・デメリットを解説します。

AI技術による住宅ローン審査のメリット

住宅ローン審査にAI技術が導入されるメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。

(1)審査のスピードアップ
(2)金利や手数料の軽減
(3)契約者へのサービス拡充

住宅ローン審査にAI技術が導入されると、審査のスピードは従来よりも格段に速くなります。
審査スピードが速くなれば、住宅ローンを契約するまでの時間が短縮されます。万一審査が通らなかった場合でも、他社の住宅ローンの検討をすぐに始められるため、利用者にとってはかなりのメリットとなり得ます。

また、AI技術を導入することで金融機関は人件費を減らすことができるでしょう。これにより、住宅ローン金利やローン審査にかかる事務手数料などが軽減される可能性もあります。

AI技術による住宅ローン審査のデメリット

一方、住宅ローン審査にAI技術が導入されると、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

AI技術による住宅ローン審査のデメリットとしては、融資をするかしないかの判断が機械的に、相手の状況や心情を考慮せずに進んでいくことが挙げられます。。
信用情報や資産情報といった個人のデータは、画一的にAIが評価していきます。そのため、ローン申込者の背景を配慮したような臨機応変な判断をすることはほぼ不可能といえるでしょう。

今後ますますAI審査は広まっていく

すでにAI技術による住宅ローン審査を導入した金融機関では、審査期間の短縮やコスト削減などの効果が得られています。

今後、ますますAIでの審査が普及してくると、紙の書類に必要事項を記入して申し込むような従来の形式は薄まっていくでしょう。AI技術の導入が進むことで、利用者は金利や手数料面で恩恵を受けることができます。また、審査がスピーディーになることで、住宅ローンの比較・検討もしやすくなります。

住宅ローンを比較する時のひとつの選択肢として、AI技術による住宅ローン審査を実施している金融機関も検討されてはいかがでしょうか。

執筆日2023年4月20日
監修日2023年4月20日

執筆者 有明 美希子 (ありあけ・みきこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

秋田県出身。大学卒業後はCAとして国内線・国際線に乗務。その後、J-REITの運用会社、外資系不動産会社にてバックオフィス職に従事。
フルタイムワーキングマザーとして奮闘するも、体調を崩し退職。
その際、資産管理やお金に関する各種制度に詳しくなる必要を感じ、FPを取得。
3児の母として、子どもには楽しんで働く親の背中を見せたいと、積極的に活動している。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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