第 62 回

非正規雇用者はキャッシングできる?非正規雇用者のキャッシング事情

保泉 美砂子

非正規雇用者はキャッシングできる?非正規雇用者のキャッシング事情

近年、日本では様々な雇用形態の増加により、正社員のみならずパート・アルバイトや契約社員等非正規雇用者の割合が多くなっています。
正社員ではないという理由で、カードローンやキャッシングへの申し込み・審査に不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?

非正規雇用者に対して、カードローン会社ではどのような基準で判断を行い、お金を貸してくれるのかを説明します。

ポイントは「収入の安定」

金融業界では近年、個人に対して多くのお金を貸すことが経営上難しい状況です。そのため、非正規雇用の方も対象にお金の貸し付け、融資を行う業者が増えてきています。

日本貸金業界や、大手消費者金融会社等でも利用者の年収データを公表しています。収入が300万円未満の利用者だけでおよそ5割を占めています。つまり、全体のおよそ2人に1人が該当する計算となります。

このように、特に大手の消費者金融であれば、低所得と呼ばれる収入額でもキャッシングを利用する事は可能です。しかし、その審査では必ず調査をされる項目があります。
それは「安定した収入源があるか」という点です。

「安定をした収入源」とは?

安定した収入源を持っている状態とは、簡単に説明をすると「働いて定期的な収入を得ている」という状態を示します。雇用形態が安定していなくとも、一定の基準を満たすことで審査をクリアすることができます。

  • 勤続歴が最低3ヵ月、6ヵ月以上が望ましい
  • 毎月一定の給料が支払われ、その明細書が提出できる

以上のような基準項目を満たすことができると、審査を通過することができます。
年収額の高さが、融資を受ける審査で有利に働くことはもちろんありますが、「安定収入」があれば、収入が高くないからと諦めることはありません。

なお、非正規雇用者は離職率が正社員よりも高い傾向があるため、経歴が短いことは審査にに不利となる可能性があるため注意が必要です。同じ職場に6ヵ月以上勤務をしていることが望ましいと言えます。

審査が通りやすいローンは?

非正規雇用の方でも申し込み自体は可能ですが、銀行カードローンは審査が厳しい傾向にあります。そのため、消費者金融の方がより審査には通りやすいでしょう。

返済のことも頭に入れておきましょう

非正規雇用の方でも、融資は受けられます。しかし、どの年代・収入の方にも言えることは「借入額が返済可能な範囲の金額であるか」という点です。

借り入れたお金は「返済しなければいけないお金である」という事を常に念頭に置いて、計画的な利用を心がけましょう。

執筆日2023年4月7日
監修日2023年4月11日

執筆者 保泉 美砂子 (ほずみ・みさこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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