第 119 回
シングルマザーが利用できる手当・助成制度・公的貸付制度やカードローン
近年、母子家庭の経済的な困窮が社会問題になっています。1人で子育てと仕事を両立しながら生活するのは、時間の面でもお金の面でも、苦労が絶えないのではないかと思います。
そこで今回は、シングルマザーが利用できる手当・助成制度・公的貸付制度、およびカードローンについて解説します。
シングルマザーが利用できる手当・助成制度と公的貸付制度
経済的に困っている場合、まずは返済義務のない手当や助成金・低金利な公的貸付制度を利用することをお勧めします。
シングルマザーが生活する上で活用できる手当や制度には、以下のようなものがあります。
シングルマザーが利用できる手当・助成制度
以下の手当や助成制度は、返済の義務がなく受け取れるものです。
利用要件に所得制限がありますので、自分が受け取れる手当や助成制度を確認して、まずはこちらを活用しましょう。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 特別児童扶養手当
- 遺族年金 ※配偶者と死別した場合
- 母子父子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度
シングルマザーが利用できる公的貸付制度
母子家庭のための公的貸付制度には、「母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」があります。この制度は、自治体から用途に合わせた資金を貸し付けてもらえる制度となっており、母子家庭の母・父子家庭の父など、ひとり親で子供を扶養している人、またはかつて母子家庭の母だった人が資金の貸付けを申請できます。
返済の義務はありますが無利息、もしくは低金利(年利1.0%)で借りられ、生活資金や教育費等の捻出が困難な場合に活用できます。
ただし、申請から審査、支払いまでに時間がかかりますので、早めに申請しましょう。
その他の貸付制度
シングルマザーだけでなく、低所得者であれば比較的低金利で融資が受けられる貸付制度には、以下の3つがあります。
- 自治体の生活福祉資金貸付制度
- 日本学生支援機構奨学金
- 日本政策金融公庫(国の教育ローン)
シングルマザーが利用できるカードローン
公的制度や手当では融資までに時間が掛かって間に合わないという場合、一時的にカードローンでお金を借りるという手段もあります。
銀行のカードローン
銀行カードローンは数日での融資が可能ですが、上限金利が実質年率14.0%前後です。また、属性によって審査に通らない場合があるため、非正規雇用や、正社員でも勤続年数が短い場合は注意が必要です。
消費者金融のカードローン
貸金業者によっては最短即日で融資が可能です。ただし、上限金利が実質年率18.0%と銀行より高くなります。
お金に困ったときはまず自治体へ相談を
経済的に困った場合は、まずは自治体の福祉窓口や子育て支援窓口に相談し、国や自治体の制度を活用しましょう。カードローンは公的制度より簡単に借りられますが、金利も高いため最後の手段として考えましょう。借りた場合でもなるべく早く返済できるよう、計画を立てて利用すると良いですね。
執筆日2023年3月28日
監修日2023年4月11日
滋賀県出身。大学卒業後の就職先で人事総務の仕事を担当。主に社会保険の手続きや給与計算を行っていたが、自身の知識不足を痛感し、FP資格を取得。
現在はさらなる知識向上のため、FP1級、CFP資格の取得を目指すとともに、「お金に苦労する人が少しでも減ってほしい」という思いを持って、FPとしての活動を行っている。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。