CMなどでよく耳にするけれど、JAバンクって実際はどんな組織なんだろう？農業に関係ありそうだけどよくわからない、そんなJAバンクの特徴やサービス内容を紹介します。

組織と特徴

「JA」とは農業協同組合（農協）の英語名称「Japan Agricultural Cooperatives」の頭文字をとったものです。組合の主な事業は「農業経営の改善や指導」「農産物の販売や流通」「貯金やローンなどの金融サービス」などがあります。

JAが市町村段階で組合活動を行い、上位の都道府県段階では「信連（信用農業組合連合会）」が信用事業を運営しています。さらに信連の上位に全国金融機関として「農林中金（農林中央金庫）」が位置しています。これらJAグループ（JA・信連・農林中金）の信用事業を提供している金融機関がJAバンクです。

JAバンクの規模

JAバンクの預金量は「2022年度第1四半期 決算概要説明資料」によると、2022年3月末で約64.7兆円です。ゆうちょ銀行の189.5兆円（「2022年度第1四半期　決算説明資料」2022年3月時点）には及びませんが、国内の銀行では上位に位置する預金量を保有しています。

2022年3月末時点でJAバンクの店舗数は6,493店舗、CD/ATM設置台数は10,753台となっています。農業従事者のための組合という特徴のためか、都市部以外の山間部にも店舗があるのが銀行と異なる点でしょう。

サービス内容

JAバンクは、一般の銀行と同様に口座の開設や定期貯金の利用などが可能で、カードローンをはじめ各種ローン商品も取り扱っています。他にも投資信託や国債のような金融商品や、医療保険や損害保険など様々な選択肢があります。

JAバンクのATMを利用すれば、平日、土日も入出金は手数料が無料です。また、一部の都市銀行やネット銀行のATMを平日の日中帯は手数料無料で利用できます。
ATMの数が多いというのは、利用者にはありがたいことですね。

最近ではネットバンクのサービスもあり、さらに便利になっています。

JAの構成員は農業に従事している「正組合員」と、農業に従事していない「准組合員」の2種類があります。JAバンクは組合員でなくても口座を持つことはできる場合が多いですが、一部サービスを利用するには出資金を払ってJAの准組合員になる必要があります。

組合員は定期預金の金利が優遇されるキャンペーンなどもあります。

デメリット

デメリットとして挙げられるのが、各種手続きが取引先の店舗に制限される点です。

JAバンクでは、原則として口座を開設した店舗でなければ、住所変更や解約などの手続きができません。特に解約の方法については、各地のJAのホームページに記載がない場合がほとんどです。

そのため、口座を開設したJAバンクに問い合わせない限り、解約の方法や手続きがわからない点はデメリットといえるしょう。基本的には農業に従事する組合員のための組織なので、住所地の移動については想定してないのかもしれません。

地域密着型のJAバンク

JAバンクは、全国規模の組織ではありますが、、地域密着型の金融機関です。土地に根付いた農業従事者のための銀行という位置づけではありますが、農家でなくても利用でき、ATMの数の多さなどを考えても使いやすいかもしれません。

デメリットも考慮したうえで、心に決めた土地に長く生活の基盤を置くのであれば、JAバンクの商品も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか？

執筆日2023年4月11日
監修日2023年5月15日