第 173 回
旅行費用に利用できる「トラベルローン」とは?その種類と特徴を解説
旅行費用の支払いに使用できる「トラベルローン」という商品があります。この記事ではトラベルローンの条件や特徴を紹介します。
取り扱いは主に2種類
「トラベルローン」は目的別ローンの一種で、主に旅行費用の支払いに充てることができます。トラベルローンを扱っているのは旅行代理店が扱っているものと、銀行や信販会社などの金融機関が扱うものがあります。どちらもローン商品なので審査が必要です。
旅行代理店の店頭でトラベルローンの申し込み手続きを行うと、旅行代理店が提携している信販会社とローン契約を結ぶことになります。金融機関では旅行代理店などから発行される「見積書」や「請求書」などの書類を提出し、希望する金額のローンを申し込むという流れになります。
使い道の範囲
旅行代理店では「1回のツアー旅行代金」としているところが多いです。そのため、ツアー料金に含まれないお土産代や外食は含まれず、自由行動時間で訪れる観光地の入場料や交通費は自分で用意する必要があります。自由に使いたい現金を用意する手段としては利用できない、ということになります。
金融機関では「旅行に関する費用」という記載が多く、その範囲は旅行代理店よりも広い場合が多いです。なかにはレジャー用品やキャンプ用品、およびリゾート会員権の購入も使途に含まれるトラベルローンもあります。
対象者の違い
旅行代理店では、学生や未成年でも申し込み可能な場合があります。その場合は親権者の同意や連帯保証人が必要になることが多いです。卒業旅行でトラベルローンを利用した学生が就職後に返済できるように、支払い開始月を半年ほど据え置く「スキップ払い」を用意している旅行代理店もあります。
金融機関のトラベルローンは「20歳以上」という年齢制限と「安定した収入」を条件として設けている場合がほとんどです。
カードローンやキャッシングは?
旅行資金の捻出にカードローンやキャッシングを推奨する意見もあります。カードローンやキャッシングは、トラベルローンと比較して金利が高い場合が多いです。
では全く推奨できないのかというと、返済計画によっては検討の余地があります。
多めに見積もって借入額を30万円と想定しても、金利が3%程度の違いであれば利息に及ぼす影響はそれほど大きくなりません。
例:借入額30万円・返済期間180日
(実質年率14%の場合)利息合計20,712円(3,452円/月)
(実質年率17%の場合)利息合計25,150円(4,191円/月)
しかし、上記の例では返済期間を180日間と定めていますが、リボ払いで返済すると長期間に渡って返済を続ける可能性があります。やはり、全ての旅行費用をカードローンやキャッシングで用意するのは賢明ではないでしょう。
利用するのであれば最小限の不足分に限定して利用することをお勧めします。
トラベルローンも一つの選択肢に
旅行にかかる費用を用意しようと準備しても、なかなか貯まらないという人もいるでしょう。旅行に行きたいけど費用が足りないという場合は、トラベルローンの利用を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
執筆日2023年3月31日
監修日2023年4月20日
大阪市立大学商学部学士課程修了。学生時代にESG投資の有効性に関する研究を行う。主にESG・サステナビリティ領域の業務に従事、現在は企業のサステナビリティ・ガバナンス構築に向け活動中。地球のサステナビリティには最終的に消費者の力が必要と考え、消費者行動に影響を与えるファイナンシャルプランナーを目指す。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。