新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和が進み、多くの外国人が日本へまた訪れるようになってきました。都心や観光地では日本人よりも外国人の方が多く、都心や観光地以外の駅でもしばしば外国人の姿がみられます。

法務省の報道発表資料をみると、令和4年年6月末現在における在留外国人数は296万1,969人で、前年末に比べ20万1,343人増え（増加率7.3％）、過去最高となりました。

また、同資料によると、在留外国人が多い国は１位中国、2位ベトナム、3位韓国でした。特にベトナムは増加が最も顕著な国です。このように増加傾向のある外国人は、日本人と変わらずローンを組むことができるのでしょうか。

出典:出入国在留管理庁ホームページ「令和4年6月末現在における在留外国人数について」

外国人の審査基準は？

それでは、外国人の審査について見ていきましょう。

ローン借入の審査では、国籍を問わず、勤務先・勤務形態・勤続年数・年収等の審査基準から確実に返済できるかを審査しますが、外国人の場合は永住権取得の有無が問われます。

永住権を取得するには

日本国籍を持たない外国人が永住権を取得するためには、下記のような要件があります。

• 原則10年以上継続して日本に在留していること（日本人と結婚している場合は3年で良いなどの特約あり）
• 素行が良好であること
• 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
• その者の永住が日本国の利益に合する

これらの要件を満たすと、永住権が認められることになります。（ただし、その他特例あり）

日本での在留資格として、上記の永住者に加え、「特別永住者」という制度もあります。特別永住者は永住者と異なる法を根拠にしており、特別永住者証明書の交付申請をして法務大臣から許可された人が特別永住者となります。
法務省の報道発表資料によると、永住者は約84.5万人、特別永住者は約29.2万人でした。（2022年6月末現在）

永住権がないとローンは組めないの？

永住権を持たなくても、ローンを組むことができる銀行があります。
銀行によって条件が異なりますが、下記の条件を満たしていればローンを組める可能性があるようです。

• 配偶者が日本人または日本在住歴5年以上
• 日本企業への勤続年数3年以上
• 子供が日本の学校へ通っている　等

ローンの返済地獄に陥らないために

外国人も要件を満たせばローンを組むことができます。ただし、ローン返済が滞らないようにしっかりとした審査があり、日本人よりも厳しい審査を通過する必要があります。

審査が厳しいと感じる方もいるかもしれませんが、簡単に借入ができてしまうところは危険性があり、逆に注意が必要です。

外国人でも日本人でもローンを組む以上は、ローンの仕組みを理解して返済計画をしっかり組み立てておきしょう。

執筆日2023年3月31日
監修日2023年4月1日