第 133 回

子どものマネー教育はどうしたら良い?キャッシュレス時代を生きるための金融教育

保泉 美砂子

子どものマネー教育はどうしたら良い?キャッシュレス時代を生きるための金融教育

今や街のいたるところで現金以外のクレジットカードや電子マネー、QRコード(スマホ)で決済することがあたりまえになっています。現金は持ち歩かない、という方も多いのではないでしょうか。その反面、お金自体が見えづらくなってきています。

今回は、キャッシュレス決済との上手なつき合い方を子どもにどう教育していくのが良いか、解説します。

「お金の価値」の本質を説明する

キャッシュレスの話の前にまず必要なことは、子どもにお金の「本質」について正しく理解してもらう事です。

人は基本的に、自分が行った労働やサービス提供の対価としてお金をもらいます。
また、誰かの労働やサービス提供に対する対価としてお金を支払います。

それぞれの労働やサービス提供の対価としてお金をもらう、支払う。
それはつまり、モノやサービスを提供してくれて、買ってくれて「ありがとう」という「感謝のしるし」であることを、まず理解してもらうことが大切です。

お金を自分で使う「体験」

お金の本質について子供が理解したら、次は実際にお金を使う経験をさせましょう。

最近はコンビニやスーパーに一人で買い物に行かせることも難しくなっていますし、子どもが何か買う時は、つい親がお金を出してしまうことも多いかもしれません。
しかし、そこであえて子どもにお金を渡し支払いをさせてみましょう。積極的に子どもに現金を使う経験をさせ「お金を使うこと」に慣れさせることで、お金の上手な使い方が養われます。

お金を自分で使う「計画性」

お金を使うことに慣れてきたら、次はお金を「計画的に」使うことを教えます。
まず1回の買い物で使える金額を設定します。そしてその範囲内で何を買うのかを子どもに考えさせましょう。

最初は欲しいものだけ買ってしまうかもかもしれませんが、何度か繰り返すうちに子ども自身で

  • 自分にとって必要なもの(ニーズ)
  • 自分が欲しいもの(ウォンツ)

の2つに金額を分けるようになります。

この2つを意識してお金を使うことで、限られた予算の中でお金を使う計画性が養われ、お金を上手に管理していけるようになります。

おこづかい帳をつけさせてみるのもいいかもしれません。たとえば、一年の最初にもらうお年玉から始めてみましょう。年始におこづかい帳を渡し、使った場合に金額と用途を記入するだけの簡単なものでかまいません。年末にいくら残っているか親子で確認し、計画的な使い方について話し合ってみてはどうでしょうか。

キャッシュレス決済とのつき合い方

子どもが計画的にお金を使うようになってきたら、ようやく電子マネーなどのキャッシュレス決済について教えます。

子どもによっては小学校入学と同時に交通機関に乗るためにSUICAやPASMOなどの電子マネーを使用し始める子もいるでしょう。この時期のできるだけ早い段階で、電子マネーとのつき合い方を説明して、うまく利用できるようにしましょう。

電子マネーの数字を記号ではなく「お金」として捉えられるように、最初は親が一緒に「今、交通費として○○円引かれたから残金は○○円だよ」などと説明して、子どもに実感してもらいましょう。

時にはあえて残高不足で欲しいモノが買えない経験をさせることも大切です。そうした経験を積み重ねながら、QRコード決済等他のキャッシュレス決済も体験させていきましょう。

これからの時代を生きる子どもたちのために

キャッシュレス決済は、今後さらに増えていくでしょう。見えづらくなったお金の価値を子どもたちに理解してもらうには、やはり幼いころからの金銭教育が重要です。日本では長い間お金の話をするのはタブー視される傾向がありましたが、現在高校では金融教育の授業が行われるようになっています。

親も積極的に子どもとお金の話をすることは、これからの子どもたちには一層大切なことかもしれません。キャッシュレス決済とうまくつき合い、計画的にお金をつかえるように、親子で実践しながら経験を積んでいきましょう。

執筆日2023年3月19日
監修日2023年4月11日

執筆者 保泉 美砂子 (ほずみ・みさこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。

監修者 阿部倉 弘子 (あべくら・ひろこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。

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