第 12 回
多目的に活用できる「フリーローン」5つの特徴
金融機関が提供しているローンは、住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなどの基本的に借りる目的が決まっているものが主力となっています。しかし、これら以外の用途でまとまったお金が必要な時もあります。そんな時に利用できるのが「フリーローン」と呼ばれるローンです。
今回は、多目的に活用できる「フリーローン」について説明します。
フリーローンってどんなもの?
フリーローンとは、金融機関から目的を定めずお金を借りられるローンのことで「多目的ローン」と呼ばれることもあります。
住宅ローンや自動車ローン、教育ローンのようにあらかじめ借入れ目的や用途が定められている「目的別ローン」とは違い、借りたお金は利用者が自由に使うことができます。
同じように「自由に使えるローン」としてカードローンやクレジットカードのキャッシングがありますが、それらに比べフリーローンの方が低金利で借入れできる傾向にあります。また、返済期間や毎月の返済額が契約時に設定されるので、家計状況に合わせて計画的に返済していけるのもメリットです。
フリーローン5つの特徴
それでは「フリーローン」の特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。
1.低金利で融資を受けられる
フリーローンの金利は年率2.0%~15.0%が一般的です。同じく使途が自由なカードローンの金利が5.0%~18.0%程度ですので、それよりは実質金利が低めです。しかし利用目的が限定された住宅ローンや自動車・教育ローンよりは高い金利となっています。
フリーローンの金利は、提供している会社によっても異なりますし、同じ金融機関であっても利用者によって適用金利が異なります。最低金利だけを目安にすることのないように注意しましょう。
2.事業性資金を除く、幅広い用途に利用可能
事業性資金以外の目的であれば、冠婚葬祭費用や引越し代、多額の自費診療治療費など多岐にわたる用途に利用可能です。また、利用用途について金融機関に申請する必要もありません。
3.融資のスピードは遅め(1週間~2週間程度)
消費者金融が提供するカードローンのように、「最短即日」での融資はされません。
フリーローンは契約書を交わして貸付けを行う(証書貸付)ため、申込みから実際に入金されるまで2週間程度時間がかかる場合があります。
最近はネット銀行などの普及により、申込みから借入れまですべてインターネットで完結できるフリーローンも出てきましたが、緊急にお金が必要な場合にはカードローンなどの利用も検討してみましょう。
4.まとまった金額の借入れが可能
フリーローンの融資の形態は「証書貸付」といって、借入れのたびに金銭消費貸借契約を締結し、借入金額・金利・返済期間・毎月の返済金額などが決まります。最初に決められた金額を借り、全額が銀行口座に振り込まれたらあとは元本と利息分を毎月決まった日に返済していきます。
まとまった金額を借入れできるのは、フリーローンのメリットと言えるでしょう。
5.追加融資は受けられない
フリーローンは「証書貸付」であるため追加融資が受けられません。追加でお金を借りたい場合は、改めて借入れの申込みをして審査を受け、新規でローンを契約する事になります。
少額でも、複数回借入れの必要がある場合には、フリーローンは利用しづらいでしょう。
目的に合ったローンの利用を
フリーローンは使途が原則自由ですが、借りる目的が目的別ローンに合致するのであれば、目的別ローンに申込みをした方が低い金利で借り入れできる場合があります。より低金利でお金を借りれば利息の節約につながりますし、月々の返済も楽になります。
資金の借入れを検討する場合は、借りる目的に合わせ「目的別ローン」「フリーローン」「カードローン」を使い分けて利用しましょう。
もちろん返済計画も忘れずに。
執筆日2023年4月5日
監修日2023年4月11日
長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。