第 51 回
総量規制の対象にならないものまとめ!総量規制の「除外」と「例外」とは
消費者金融やクレジットカードのキャッシングを検討されている方にとってとても重要な「総量規制(そうりょうきせい)」という制度をご存じでしょうか?
貸金業法という法律により「利用者の年収の3分の1を超えるお金の借り入れはできない」という制度です。
しかし、人生で1番大きい買い物と言われる住宅の購入や、車の購入などで高額な借り入れをしなければならない場合、総量規制が適用されてしまうと借り入れができず購入できなくなってしまいます。
このように、生活の上で必要不可欠なものの購入や使用において、制度が適用外になるケースがあります。
その中でも「除外」「例外」の2分野で項目に分けられ判断されます。
今回は、総量規制の対象とならないものや、その違いについて解説します。
住宅・自動車ローンはこちら!総量規制の「除外」
総量規制の除外対象となるものは以下の通りです。
- 不動産購入または不動産を改良するための貸付(融資をうけるまでのつなぎ融資を含む)→住宅ローン
- 自動車購入時の自動車担保※貸付→自動車ローン
- 高額医療費の貸付
- 有価証券(株・債権など)担保※貸付
- 不動産担保※貸付
- 売却予定不動産の売却代金により返済できる貸付
- 手形の割引
- 金融商品取引業者が行う500万円超の貸付
などあります。
※担保:お金が返せなくなった場合に、代わりに渡すもの。
「除外」の項目については、総量規制で定められた年収の3分の1の借り入れ金額に含まれません。
総量規制の「例外」
一方、「例外」の場合は総量規制の対象にはなりますが、利用者の返済能力における審査が通れば借り入れが認められています。
- 顧客一方的有利となる借り換え→いわゆるおまとめローン
- 緊急の医療費の貸付(※高額医療ではない)
- 社会通念上必要と見られる費用を支払う為の資金の貸付(10万円以下等、要件あり)
- 配偶者と合わせた年収が3分の1以下の貸付(配偶者の同意が必要)
- 個人事業に対する貸付
- 預金取扱い金融機関の貸付を受けるまでの「つなぎ資金」に関する貸付
おまとめローンに関しては、
・借入合計額で金利を再設定し、月々の返済を決めなければならない
・借入金額の返済終了まで新たな借り入れができず、また保証人もつけられない。
などが条件となることを覚えておきましょう。
身の丈に合った借り入れを
「総量規制」は、消費者のお金の借りすぎを防ぐために定められた規制です。
借り入れの理由によっては規制の対象外になることを正しく覚えておくことで、利用できる範囲も広がり生活が豊かになる可能性もあります。
身の丈に合った金額・目的・返済計画を立て、賢いキャッシング利用を心がけましょう。
執筆日2023年4月5日
監修日2023年4月11日
長く教材制作会社にて、校正や原稿作成など、お金とはほとんど縁のない世界で仕事をしていたが、数年後にやってくる夫の定年退職を機に、一念発起。
二人の子供たちに背中を押され、FP資格取得に向けて勉強を開始し、無事合格を果たすことができた。
FPとしてのステップアップを目指そうと考えていたところに、FPSの求人と出会い、即応募。そして、現在に至る。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。