第 20 回
リボ払いの手数料はどれくらい?実際にシミュレーションしてみた
リボ払いは月々一定額の返済をする契約です。返済時に手数料を支払うため、借入れた金額より返済総額が多くなります。
この記事ではリボ払いの返済方法と手数料の関係を探ってみます。
リボ払いと分割払い、手数料の違いは?
リボ払いと分割払いは両方とも月々返済していく方法です。けれども、手数料の計算方法に違いがあります。
ここでは、12万円借入れたときの手数料を比較してみたいと思います。
返済条件は次の通りとします。
・金利はリボ払い、分割払い共に年利15.00%
・リボ払いは借入金の一定額とその手数料を加えて返済
なお、手数料を厳密に計算するには毎月の返済日の間の日数を把握する必要があります。この記事では毎月の返済日の間を1年間の1/12としております。手数料が概算になりますので、実際に支払う手数料と誤差が出る場合があることにご留意ください。
月々1万円返済する場合
まず、リボ払いで月々1万円返済する場合と、分割払い12回の場合の手数料を比較したいと思います。
計算したリボ払いの手数料と、日本クレジット協会の手数料シミュレーターで求めた分割払いの手数料は次のようになりました。
リボ払いの手数料総額:9,750円
分割払いの手数料総額:9,972円
この条件では、リボ払いと分割払いの手数料の差は218円でほぼ同額ですね。
返済回数を増やした場合
今度はリボ払いで月々の返済額を5,000円、分割払いの回数を24回にしてみます。
先ほどと同じように計算結果とシミュレーターの結果を比較してみましょう。
リボ払い手数料総額:1万8,744円
分割払い手数料総額:1万9,644円
この条件でも大きな差はなく、リボ払いと分割払いの差はを900円でした。また、手数料はどちらもほぼ2倍になりました。借入金が同じでも、返済期間が長くなると手数料が増えるのですね。
リボ払いの借入金を増やしてみると?
続いてリボ払いの借入金を10万円、20万円、30万円、50万円、100万円にして手数料を比較してみます。
なお、実際にリボ払いの契約をする場合は借入金額や返済方法によって月々の最低返済額が決められている会社もあります。記事では比較のため月々の返済額を1万円にしていますが、契約内容によっては返済額が増える場合もあります。
リボ払いの手数料を求めた結果がこちらです。
表1 借入金額の変化による手数料の違い
借入金 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 |
返済回数 | 10回 | 20回 | 30回 | 50回 | 100回 |
手数料 | 6,875円 | 2万6,250円 | 5万8,125円 | 15万9,375円 | 63万1,250円 |
支払い金額が増え、返済回数が伸びると手数料が大きく増加するのがわかります。
借入金が10万円と20万円では、借入金額や返済回数は2倍ですが、手数料は3.8倍です。30万円・50万円・100万円と借入金が増えると、手数料は10万円借りたときの8.5倍・23倍・92倍と急激に増えていきます。
リボ払いの手数料に注意
リボ払いは月々の返済額を一定額にできるため、支払計画が立てやすいというメリットがあります。
しかし借入金が増えてしまうと、返済期間が伸び、手数料は雪だるま式に増えていきます。リボ払いの仕組みを理解して効果的に利用しましょう。
執筆日2023年4月24日
監修日2023年5月8日
大学院修了後、IT企業や通信事業者でセールスエンジニア兼企画職として働く。
出産を機に退職し、お金を稼ぐ側から家計を守る側に立場が変わり、お金の守り方を知らなかったことを痛感。自分に合ったお金との向かい合い方を見つけるため、FP資格を取得する。
資格取得後は、FPの勉強を通じて得られた知識をもとに、よりよい家計管理を求め試行錯誤の日々を過ごす。
現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。