第 148 回
自宅を担保にお金を借りる!リバースモーゲージの活用方法
老後は年金と貯蓄とで悠々と暮そうと思っていても、介護や自宅のリフォームなどでお金がかかり、手元のお金が足りなくなることもあります。
そんなとき、持ち家を担保に融資を受けられる「リバースモーゲージ」を利用することで、余裕のある資金計画が立てられるかもしれません。
今回はリバースモーゲージの特徴と活用方法について説明します。
リバースモーゲージの特徴
リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関からお金を借り事ができる、シニア層向けの融資制度です。
金融機関から融資を受ける場合と、自治体などの公的機関から受ける場合との二通りの方法があります。
契約者が存命の間は利息のみ返済をし、契約満了時、または契約者が亡くなった後に元金を一括で返済します。
なお、自治体などが行っているリバースモーゲージは正式には「不動産担保型生活資金」といい、主に生活資金に困窮している低所得高齢者世帯が対象となります。
メリット
自宅に住み続けながら金融機関から融資を受けられることが、最大のメリットです。
借りたお金は事業用途以外であれば自由に使えるため、旅行や老人ホーム入居費用に充てることもできます。
また、自宅を売却するわけではないので、物件の所有権および名義は契約者のままとなります。そのため、融資の返済が可能であれば、担保とした物件を売却することも可能です。
デメリット
担保として認められるのが「自宅のある敷地のみ」の場合が多いため、マンション住まいでは利用できない可能性があります。
融資を受けられても、契約期間以上に長生きをすると、資金の受け取りが停止するのに加え、資金の一括返済ができなければ自宅を失うリスクがあります。
融資額は契約時の担保価値を基に決められますが、契約期間中に担保物件の価値が下がると融資額も下がる事もあります。
自宅を売却して一括返済する場合でも、担保価値が下がると元本割れとなり、手元の資金から返済しなければいけなくなります。
リバースモーゲージの活用方法
自分の死後、自宅に住み続ける人がいない場合は、リバースモーゲージを利用すると金融機関が競売にかける形で売却してくれるので、契約者が自分で行うより手間なく確実に売却することができます。
つまり、自分の死後の財産処分について頭を悩ませる必要がなく、存命中の生活を楽しむことができるのです。
リスクを理解したうえでの活用を
老後、年金や貯蓄だけでは心もとなくなった場合でも、自宅を担保にリバースモーゲージを活用することで、存命中の生活を楽しむことができるだけでなく、死後の財産処分について悩む必要もなくなります。
自宅の相続についてご家族と十分話し合う必要はありますが、老後生活を楽しむための手段の一つとして、リバースモーゲージの利用を検討されてもよいのではないでしょうか。
執筆日2023年4月4日
監修日2023年4月11日
大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。
FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。